2013/10/10

ダニエルズ式ランニング用計算ツールの紹介

先週末の5Kレースで19:03というタイムが出たので、これを元に今後の練習ペースを調べてみたいと思います。

今回使うのはThe Run SMART Projectが作っているジャック・ダニエルズ氏公認のランニング計算機

■ジャック・ダニエルズのランニング計算機
http://www.runsmartproject.com/calculator/

携帯の方は上のURLから、PCの方は下に出ている画面からどうぞ(使い方は後述)。



使い方

ブラウザ上から簡単に使えます。英語がわからなくても大丈夫!



手順は3つ。
  1. 青丸1に距離を入れます
    (→私は5Kを選択しました。デフォルト単位はKMでなくマイルなので注意。)
  2. 青丸2に最近の自己ベストタイムをいれます
    (→私の場合19:03を入力)
  3. あとは青丸3のボタンをポチッと押すだけ!

以上です!

ダニエルズ本の有名な表と違うのは、まずVDOTが52.7と小数点以下も細かく出てきます。

※VDOT=最大酸素摂取量をベースにダニエルズ氏が生み出した「走力」を表す値

※有名なVDOT表を見たい方は、ダニエルズ氏が書いたランナーズワールドのこの記事参照。

ダニエルズって誰?VDOTって何?という方は「ジャック・ダニエルズ氏とランニングフォーミュラとVDOTについての話」もあわせてご覧ください。市民ランナーからトップアスリートまで、幅広い層のランナーがダニエルズ理論で練習しています。


オプションとして、「Advanced Features」と書いた部分をクリックすると、風、気温、標高も簡単にVDOT計算に織り込むことができます。風の強い海沿いを走る人、気温の高い・低いところに住む人、高地トレーニングをする人(←ほとんどいないかw)にも持ってこい( ´∀`)bグッ!


結果は画面下部に出てきていますが、タブが「Race Paces」「Training」「Equivalent」と3種類でています。


Race Pacesタブ

まず、Race Pacesタブ。これは単純に、指定タイムで走った時の距離ごとの平均スプリットです。あのレースは平均してキロあたりどのぐらいのペースだっけ・・・??という計算をするときに便利。

Trainingタブ

次に、Trainingタブ。練習時の最適ペースが調べられます。


Easy, Marathon, Threshold, Interval, Repetitionという行を見ると、それぞれ、Eペース、Mペース、Tペース、Iペース、Rペースがわかります。(ペースはマイル表示とキロ表示(赤線)両方あります。)

例えば「閾値」を上げたい、というときはTペース=04:05/kmの閾値走をすれば良い、というようなことがわかります。

各ペースでの練習の目的・効果は、ダニエルズさんの理論によれば次の通り。

  • Eペース:ベース作り、ウォームアップ・クールダウンや回復走にも
    • 心筋が強化される
    • 筋肉への血液供給能力が向上する
    • 筋肉での酸素利用能力が向上する
  • Mペース:マラソンのレースペース経験、初心者がロング走をするときEペースの代わりに
  • Tペース:持久力向上
    • 乳酸性作業閾値が向上し、連続して出来る運動の強度が上がる
  • Iペース:有酸素能力向上
    • 最大酸素摂取量(V̇O2max)が向上する
  • Rペース:スピードと経済性向上
    • スピード(ストライド距離・ピッチ数)が速くなる
    • ランニングエコノミー(距離・体重当たりの酸素消費量)が向上し、「燃費」が良くなる

箇条書きの入れ子になっている部分は主な具体的効果です。
主な、と書いたのは効果がオーバーラップするため。

ダニエルズ式の練習については当ブログ別記事でも詳しく解説しています。



さらに詳しい練習方法、頻度、細かい注意点などは、ダニエルズさんの本をご参考に。
追記:英語版のほうは、2014年に第3版が出ました。第2版から8年ぶりです。


▲日本語第2版

▲英語第3版


まだ未確認ですがその日本語訳版が追って出ると思うので、買う予定の人はその発売時期を見てどっちを買うべきか決めてもいいかもしれません。

第3版のVDOT表はさらにパワーアップしており、こちらに詳細を書きました。

Equivalentタブ

最後は、Equivalentタブ


この表は、VDOT換算による他の距離の予想タイムを教えてくれます。当日の気温で予想タイムを補正できるのも嬉しいですね。

もちろん人によってスピード型、スタミナ型などいろいろあるので完璧に予想通りには行きませんが、目安として使えます。

<11月26日追記>
ちなみに私の場合、距離別自己ベストでVDOTを比べると、下のようになっています。

自己紹介と月間走行距離ページより。2013年11月現在。カッコ内の数字は練習での記録。)

秋に走った5K, 10K, 16.1K, フルのレース結果を比べると、5Kが得意(VDOTが高い)で、フルマラソンだとVDOTが低いとということがわかります。

ということは、スピード型なんでしょうか?まだマラソンの脚ができてないんでしょうか?まだまだ長距離用に改善しないといけない点がたくさんあるようです。っていうかフルマラソン対策練習ばかりしてきたはずなのですが・・・。

といっても基本ゆっくりゆっくり、Eペースすら速すぎると感じるぐらいスピードで長距離を走ってただけですが。ルミオカンさんか誰かが書かれていたと思いますが、Eペースって全然Easyなペースじゃないですよねw

偉そうに書いてきましたが、今まで「ダニエルズ式練習をするぞ( ー`дー´)キリッ!」と思って走った練習はTペース走数回のみ・・・。これからはもっとまじめにやりますw


ということで、以上、ダニエルズ式ランニング計算機の使い方でした。


役立ちそう!と思った方は、ブックマークに入れてみてはいかがでしょう。

■ジャック・ダニエルズのランニング計算機
http://www.runsmartproject.com/calculator/


<追記>
作者さんからツイッターで連絡が!たぶん多くの方がリンクから飛んだのですね( ´∀`)bグッ!





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7 件のコメント:

  1. ジャック・ダニエルズのランニング計算機、良いですね。私もランニング・フォーミュラを愛読しております。
    教科書どおりには行かないのは私も同じです。私の場合10kmとハーフは同等なのですがそのVDOTに対するフルの記録が極端に悪いのです。持久力不足ですね。
    SCRさんの記事は楽しそうなタイトルが沢山なのでまたジックリと閲覧し勉強させて頂きます。
    私も最近ブログを始めましたので宜しければ暇な時にでもご覧ください。

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    1. ブログ早速拝見しました。
      私はフルだと脚が攣るのが毎回のパターンで困っています。
      アマチュアでもプロでも、フルは何が起きるかわからず、本当に難しい距離ですね…。
      同じようにフルで困ってらっしゃるとのことで、
      これから参考にさせていただきたいと思います。

      P.S.航空公園は大学の頃、遠かったのですがテニスの練習でたまに行っていました。

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  2. 早速、ご訪問下さいまして有難うございます。
    SC Runnerさんのような情報の詰まったブログが書けるよう勉強いたします。
    そしてランニングのほうはもっと頑張ります。

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    1. 私は最近ランニングよりブログのほうに時間かけてしまってます(笑)
      ぜひお互い、がんばっていきましょう!

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  3. はじめまして。

    初めてブラウザしたのは「ボストンマラソン」で検索していて、、だったと思います。
    ワタシも同じく日本在住ですが、ボストン目指して走っております。
    ブログ全体はまだ読めていないのですが、ためになる記事が多く興味深く読んでおります。

    ワタシ自身もブログをメモ程度に書いておりまして、ダニエル表の計算ツールの記事につきブログ内で紹介させていただきました。
    ※リンクやRSSの貼り方が分からずURLを貼り付けているだけですが。

    これからもブログ更新を楽しみにしております。
    でわ。

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    1. はじめまして、ブログでのご紹介、
      ありがとうございましたm(__)m
      VDOT理論で練習されてる方は多いのですね!

      そして、ボストンを目指されているのですね。
      年々エントリーが大変になっているようですが、
      なんとかお互い夢が叶うといいですね。

      これからもよろしくお願いします。

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  4. 日本語での解説ありがとうございます。とても有益です!シャアさせてください。

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