ε=\_○ノ イヤッホーゥ!
ちょうどコンペティター誌に回復についての記事(英語記事)を見つけたので、要点をかいつまんでみます。著者はPR2:22の元マラソンランナーでもある、ジェフ・ゴーデットさんというコーチ。最新の研究成果も含めたテクニカルな記事をたくさん書いている常連ライターさんでもあります。
(photo: Motivational Poster #11 from Remy's World, Runner's World)
マラソン大会後のダメージからの回復
- 筋肉
- 研究(abstract)によると、筋肉が元の筋力と持久力を完全に取り戻すには、マラソン後14日ほどかかる。
- 細胞
- マラソンにより細胞が傷つき、血中のクレアチニンキナーゼ(abstract)と、しばしば血尿にもつながるミオグロビン(abstract)が上昇。それぞれ元の水準に戻るには7日と、3~4日かかる。その他のダメージも考えると、細胞レベルではマラソン後の完全回復には最低7~10日の休養が必要。
- 免疫系
- マラソン後は免疫力が大幅に落ち、風邪にかかりやすくなる。研究(abstract)によると、免疫力が回復するまで2~3日かかるので、オーバートレーニング症候群にならないよう、栄養に気をつけてできるだけ休養するのが大切。その間はクロストレーニングもしないほうがいい。
(同じ著者による、3週間でフル2本が入った場合の練習プランがこちらの記事にありました)
上の「休養」(rest)というのは、ランニングなどの運動をしないという意味だと思います。なので普通の生活(学校・仕事)はOK。ただ、人によっては脚が筋肉痛だらけで、翌日は歩くのが辛いと思います。私の初マラソンの時がそうでした。
良く聞く「内臓疲労」については詳細をいろいろ探したんですが、科学的な記事は見当たらず…。
効率良く回復するために
同じ記事に回復プランが載っていたのでご紹介します。- 当日
- 走った直後はバナナ、エナジーバー、スポーツドリンク、フルーツ、ベーグルなどを食べ、グリコーゲン再補充を。ホテルについたら、水+氷風呂に15分脚をつけてアイシングを。水の温度は18度以下。最適なのは約13度。その後は昼寝をしたり、外を歩いてリラックスすること。
- 1~3日後
- ランニング/クロストレーニングはなし。お湯に10~15分浸かり、その後ストレッチ。フルーツ、炭水化物、タンパク質をたくさん摂ること。マッサージするなら軽いもの(エフルラージュ、ローラーコロコロ系)のみ。
- 4~7日後
- ランニングは3~6kmをとてもゆっくり。クロストレーニングは2 x 30~40分ほどしても良い。目的はトレーニングではなく、脚への血流を増やすことなので無理しないように。もし気になる箇所があるなら強めのマッサージを受けても良い。回復を速めるには、暖かい風呂と水風呂に5分ごとに入ることを2~3回繰り返し、水風呂で終える。エプソン塩の入浴剤もおすすめ。
- 7~14日後
- ランニングは6~10kmのとてもゆっくりなものを3~4回。30~45分のクロストレーニングも3回ほど行っても良い(1 x 低負荷、2 x 中負荷)。
- 14~21日後
- 元のトレーニングに徐々に戻していく。おすすめは4~5回の6~12kmランに流しを入れる。40~50分のクロストレーニングも行う(1 x 低負荷、1 x 中負荷、1 x 高負荷)。
上に出てくるエプソン塩はよく知りませんが基本的に硫酸マグネシウムのことのようで、海外では怪我をしたサッカー選手なども使っているそう。でも、日本なら硫酸マグネシウム以外のミネラルもいろいろ入ったアレがありますね。そう、温泉の素です!
関連記事:Runner's Connect - Are Epsom Salt Baths an Effective Treatment for Running Injuries?
▼プロアスリートのアイシングの様子
プロテイン
右の商品はリカバリー用プロテインとありますが、実はタンパク質の絶対量が一番重要なので、どの製品でも対して回復効果は変わらないはず。他製品より糖質が多めとありますが、糖質ぐらいパンでもごはんでも、食事からいくらでも摂れます。
ちなみにレース/練習「直後」のプロテイン摂取も回復に効果があることが研究でわかっています。
参考リンク:じてトレ - 練習直後のプロテイン摂取が回復を早めることを示す研究事例
また、年を取るほど、回復に必要なプロテインの量は増えることが研究により示唆されているので、ご年配の方は多めにどうぞ。
- Thompson LV. 2002. Skeletal muscle adaptations with age in activity and therapeutic exercise. J Orthop Sports Phys Ther, 32(2):44-57.
- Dorrens J, Rennie MJ. 2003. Effects of ageing and human whole body and muscle protein turnover. Scand J Med Sci Sports, 13(1):26-33.
吸収時間はプロテインの種類によっては、ホエイよりソイのほうが長いなどあるので、どれかベストとかあるんでしょうか。ちょっと探しても説得力のある記事が見つからなかったので、見つかったら追記します。
コンプレッションウェア
コンプレッションウェアを着用すると足がリフレッシュするというのは、アスリートや空の旅をする人の間で知られた「逸話」ですが、これを裏付ける研究がいくつかあります。英エクセター大学の研究によれば、筋肉痛が起きるようなエキササイズをした後、24時間コンプレッションウェアを着用した被験者には筋トレ効果の向上と痛みの軽減が見られたそうです。(引用元:Competitor - How Compression Apparel Works)
意味もなく締め付けてるだけじゃなくて、圧力表示(単位:mmHg, hPa)がしてあって、ちゃんと段階着圧(graduated compression)になっているような製品を選ぶと( ´∀`)bグッ!
参考リンク:国民生活センター - 加圧を利用したスパッツの使い方に注意!(PDF)
プロのアスリートは、ダイナミック・コンプレッション・ブーツというものを試している人もいるようです。安いので20万円ぐらいするみたいですが…。
▲NormaTec社の医師兼バイオエンジニア(MD, PhD)Laura F. Jacobs氏が発明した、ポンプで空気を送ってダイナミックに空圧を変えるブーツ型(?)の回復装置。写真はオレゴンプロジェクトのラップ選手が試しているところ。
私の回復状況
さて、私はフルマラソン後2週間なのに、今週日曜にピッツバーグ・グレート・レースという10Kの大会に出る予定なんですが大丈夫なんでしょうか…(;・∀・)しかも、実はまだほんのすこ~し痛みが少し残ってます。
筋肉痛のほうは、レース翌日は歩くのも大変で、階段は手すりを使いながらなんとか昇り降り。。。攣ったふくらはぎより太もものほうがひどかったんですが、筋肉痛は5~6日でほぼ消えたので問題なし(`・∀・´)エッヘン!
問題は左足のアーチ付近の痛み。足底筋膜炎ではなさそうですが、気になるのでレース以降の練習はまだエアロバイクとランが1回ずつのみ。11日経った今日もまだちょっと気になりますが、ようやく片足でカーフレイズしても痛くないぐらいまで治ってきたので、なんとか10Kなら走れそうな感じです(∩´∀`)∩
まあ本命レースは終わったので、多少無茶してもいいかな(・ω<) テヘッ
(・・・なんて調子に乗ってるとほんとに故障しそうなので、LondonSparrowさんの故障したときのまとめ記事を読んで気を引き締めておく。)
あと、右足の人差指が黒爪(爪下血腫)になってしまいました…。今まで4000キロぐらい走ってきてはじめてです。ショップで右足のほうがちょっと大きいと言われたんですが、それで捨て寸小さめ(5mmくらい?)のシューズにしたせいですかね。まあ痛くもなんともないんでいいですけど。
▲レース後の私の足。爪が黒い…(クリックで拡大)
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あら、リンク恐れいります。
返信削除本当に、どこまでが自分の体の限界なのか、なかなかわからない・・。
アーチはテーピングはいかがでしょう? アーチのところに巻くだけですけど、持ち上げることができるので効きますよ。走るのも問題ないし、キネシオでなくても薬局に売っているスポーツ用のテープで十分です。
あとは地道なタオルギャザー、ビー玉拾い、足の先で空中にA-Zを書く、が効果ありました。
翌朝足がスッキリ! って感じです。お試しください。
勝手ながら、参考になったので紹介させていただきましたm(__)m
削除テーピングはアーチにも使えるんですね!
ランニングではしたことないのですが、なぜかテープだけ持っています。テニス用に昔買ったのかもしれませんが、よく覚えていません…。明日試して見たいと思います。
タオルギャザーもなんとなく効きそうなので、早速試してみたいと思います♪