今日発表された新型ガーミン(フィットネスGPS/ランニング時計)が進化しまくりで驚きました。
Forerunner 220 と 620です!
Garmin Forerunner 220 ($250、HRM付きで$300)
Garmin Forerunner 620 ($400、HRM-Run付きで$450)
【2013/12/3追記】今月から、日本のアマゾンでも
Forerunner 220/620 の輸入品が販売開始したようです。
【2014/4/25追記】 「日本正規版」の
ForeAthlete 220J/620J が販売開始したようです。
Forerunner 220/620共通の特徴
- 現行モデル210/610より薄くて軽い
- 高解像度のカラーディスプレイ
- GPSがうまく受信できないときは、内蔵の加速度センサーにより距離とペースを表示(従来のようにフットポッドを付けなくて良い)。インドアはもちろんトレッドミルにも対応。
- GPS衛星の場所を1週間分前もってロードしておける新機能で、GPS電波捕捉が高速化
- USBに加え、Bluetoothによる無線データ転送
▼ガーミンFR305と、FR620を並べてみました。大きさの違いが一目瞭然!
Forerunner 620だけの機能
- Wi-Fiによる無線データ転送
- 練習強度から回復時間(数時間~数日)をアドバイスしてくれる機能
- 練習強度からVO2max(最大酸素摂取量)とレースタイムを予測してくれる機能
- 新ハートレートモニター「HRM-Run」によるランニングダイナミクス(バイオメカニクス)分析
- 地面接地時間(普通のランナーは160~300ミリ秒、エリートランナーは200ミリ秒)
- ケイデンス/ピッチ数(一般的に150~200ステップ/分、理想は180)
- バウンス/上下の揺れ幅(一般的に垂直方向6~13cm、エリートは少ない)
以上写真も含め、すべて
米国ガーミン公式サイトより。
機能は一部だけ紹介しましたが、他の機種にもあるオートポーズ、オートラップなどの機能はもちろん入っています。
そもそもフィットネスGPSって何?
通常腕時計タイプの機器で、GPS搭載なのでリアルタイムで位置情報がわかる→スピード、ペース、走行距離が走ってる最中に確認できる、ということで、初心者からプロまでランナーの不可欠アイテムになってきています。
家に帰ったあとは走ったコースをPCで確認できたり、いままでの練習内容を振り返ったりでき、走行距離管理も簡単にできるので、モチベーション維持にも最適です。
GPS技術に強みを持つ、カーナビでも有名なガーミン社(GPS機器のシェアは世界40%、北米70%;
2012年のデータ)の製品シリーズが有名。
近年はスポーツメーカーも含め、様々なメーカーが参入してきていますが、バッテリーライフなどピンきりですので、買われる方は事前に口コミをよく調べると良いでしょう。例えばアマゾンで廉価製品のレビューを読むと、GPS衛星から電波を受信するまで時間がかかる、すぐロストするなど、問題のある製品がわかると思います。また、GPSなしで加速度センサーで距離を測る製品は、精度が使い物にならないくらい悪いものもありますので、要注意。
防水仕様でさらにスイムにも使えるもの、バイク対応もしていてトライアスロンにも使えるもの、長時間使用に耐えるウルトラマラソン対応製品、位置情報取得頻度を犠牲にしさらに長時間の使用に耐えられるようにしたトレッキング用など、様々なモデルが出ています。
心拍計がついて練習強度が測れるもの、加速度センサー対応でランニングマシーンでも使えるものなど、音楽も聞けるものなど、機能もさまざまです。今後はフィットネス用途だけでなく、スマートウォッチ・ウェアラブルデバイスとしても進化する製品も増えていくことでしょう。
ForeRunner 220/620 レビュー情報
ものすごい細かいレビューで有名な海外サイト「DC Rainmaker」さんとランナーズワールドが発売前の試供品でのレビューを早速公開していました。
英語記事ですが、前者は写真がたくさんなので、わかりやすいと思います。
それにしてもDC Rainmakerさんのレビューは、5,000ワード+写真と超充実してます。長ければいいってもんじゃないですが、写真抜きでも紙媒体で10~20ページ相当の文章量です(笑)試供品はファームウェアが最終版じゃないから、詳細レビューはまだ待ってね、OK?とか言ってるんですが、すでに十分詳細すぎます…。
同レビューによれば、重さは現行機のFR610が75gだったのが、
FR620はたった44gだそうです。
それから、バッテリーの持ちは10時間ほどだろうとのこと。
GPS衛星の位置を1週間分プリロードする機能は超強力なようで、DC Rainmakerさんが面白い実験動画を公開しています(
youtube)。前回使用時から8000キロ離れた中国大陸のど真ん中で、すでに同様の機能が入った他社のTomTom Runnerと、この機能のないGarmin FR 910XTを同時に起動し、電波捕捉時間を比較した実験動画です。結果は前者が
約10秒、後者が約1分。FR 220/620も前者並みの速さで電波を捕捉できることでしょう。
ガーミンのカロリー計算には従来、フィンランドのファーストビート・テクノロジーズ社のアルゴリズムが使われていたそうですが、今回サポートされるVO2maxとレースタイムの推定にも同社のアルゴリズムが使われているそうです。変数は明らかになっているだけで、最低10分間の心拍数の変動、心拍数、速度、距離だそうです。
11/5 追記:DC Rainmakerさんの詳細レビュー来ました。GPS捕捉の速さと精度、軽量さ、50m防水が素晴らしい一方、加速度センサーによるトレッドミルでの精度は少々不安定とのこと。
私のコメント
両者とも新機能多いですね。FR620は、新しく開発された心拍数計+αの「HRM-Run」が注目ですね!ランニングエコノミー(=省エネ性)を左右する要素はいろいろ研究されていますが、ピッチ数、地面接地時間、上下の揺れ幅は全て重要な要素(当ブログ内
ファラーの記事&
Google Scholarで出てくる研究参照)です。その2つがガーミンFR620で測れるということは、数字を見ながら跳ねないように走ったり・・・というようにフォームを改善できる可能性がありそうですね!
ケイデンスは従来フットポッドで測れていましたが、HRM-Runがあればフットポッドなしで測れるそうです。今後HRM-Runは他のガーミン製品の後継モデルにも導入されるでしょうね。楽しみです。
加速度センサーが入っているのは、高架下やトンネルの中に入ったときに嬉しいですね。
Bluetoothは何が嬉しいかというとと、携帯経由でインターネットにリアルタイムで走行データを送れること。つまり、練習中やレース中にどこをどんなペースで走っているか、ネット中継することができるそうです。この
Live Track機能は、家族に位置情報を伝えたい人やブロガーにニーズがあるかも。
VO2maxやレースタイムの推定精度は、期待できそうな予感です。
ジャック・ダニエルズ博士のpseudo-VO2max(VDOT)については以前詳しく書きましたが、広く使われているとはいえ30年前のシンプルなモデルで、一番ベーシックな推定方法に使う変数は距離ごとの速度のみ。今回、FR620では心拍数の数値・変化も考慮していますし、他にも秘密にしている変数があるかもしれませんね。(私自身も経験があるのですが、機械学習系研究者/エンジニアには変数探しをメインにやる人がいます。使える「説明力の高い」変数さえわかれば、あとは十分なデータがあれば簡単に推定モデルを学習できてしまうので、競争力維持のため、積極的には変数を公開したくないはず)。
ディスプレイがカラーである必要性はよくわかりませんでした。商品画像見ても、モノクロの画面表示ばかりだったので。
高解像度(といっても従来よりという意味で、Retinaには程遠い)を売りにするなら、FR910XTのような4分割画面を出しても見やすいと思うのですが、そういった商品画像はDC Rainmakerさんのところで1枚見つかったのみ。思ったのは、丸い画面より四角い画面のほうが見やすいかも?慣れなのかもしれませんが…。
同価格帯だと、FR620とFR910XTの間で迷う人はいそうですね~。ただし620はバッテリーが910ほど持たないので、ウルトラマラソンには向かないですね。あと620は50m防水だそうですが、910のようなスイム用機能は入っていないそうです。普段時計としても使いたいのであれば、デザインは620のほうが上ですかね。もちろん、川内選手のように910でも普段使いガーミンが様になっている人もいますが(
このページの腕組み写真参照)。
高度計算は、他の多くの現行機と同様、GPSによる精度が少し低い方法を採用(参考記事:
GPS/地図の高度データが信用ならない理由)。910XTのような気圧高度計は搭載していないので、高度の精度を気にする方はその点ご注意を。
ガーミン公式ブログによると、著名運動生理学者&コーチのジャック・ダニエルズ氏(関連記事:
ジャック・ダニエルズ氏とランニングフォーミュラとVDOTについての話)もガーミン開発陣にアドバイスしていたそうです。下の写真中央がダニエルズ氏。

写真:Garmin Blog -
Why Running Form Matters -- Coach Jack Daniels
まだ未発表ですが、今後ForeAthlete 220 / 620も出ると思われます。
←追記:FA 220J/620J発売しました。
値段は一見高く見えますが、10年前は下の写真のような機種が300ドルもしたので、それを考えると安いですね(笑)
(CNET)
以上、新作ガーミン速報でした。
追記:日本でも発売しました
2014/4 追記:ForeAthlete 発売!
アメリカでは2013年9月に発表された Forerunner 220/620 ですが、12月にようやく日本のアマゾンでも輸入品が販売開始したようです!2014年4月には、日本正規版であるForeAthlete 220J/620Jも発売開始しました!
以前「
Garmin Forerunner/ForeAthleteのリセット方法一覧」でも触れましたが、ForeAthleteの場合は国内サポートやマニュアル・画面の日本語化の他、910XTJのように日本独自のGPS衛星「みちびき」用の実装がされてます。(上述のGPS衛星位置の1週間プリロード機能は効率的にGPS電波捕捉をするので、原理的にはUS版でも従来機よりいいとは思いますけどね。)

▲クリックで商品ページ。
USの輸入版のほうが日本版より安いことは安いですね。
2014/2/2追記:ファームウェア初期不具合
初期のファームウェアには不具合(GPSが時々ずれる、フットポッドと併用するとそっちが優先される)があるそうですが、ファームウェアの自動アップデート機能で随時対応してるみたいです。詳しくは
FR620を愛用中の友人SALTYさんのブログにて。
2014/3/12追記:精度
FR620の精度について、Runbloggerさんが
検証記事を書いています。英語ですが、気になる方はご参考まで。結論としては、サンプル数は少ないものの「ほとんどの場合で正確」としています。ファームウェアアップデートで良くなるということは、ハード側の問題ではなさそうですね。
追記:その後の新作ガーミン
2013/10/23追記:Garmin Tactix
Garmin Fenix の後継モデル
Garmin Tactix が発表されました。ハイキングや軍事目的(!)に使える GPS ウォッチと説明されており、ナビ機能などが充実している模様。
暗視装置/ナイト・ビジョンを使っても見やすいディスプレイも売りだとか。高度は気圧から計算しているので、GPSの高度より精度は良いです。バッテリー持ち時間なんと50時間以上。
ただしGPSのデータ記録は60秒に1回なので、普通のランナーやトライアスリートは対象外のようです。
ウルトラトレイルランナーやハイカーの方、もしくは軍事マニアの方、いかがでしょう?定価$450。
2014/5/6追記:Garmin Forerunner 15
2014年5月に米国にて、Forerunner 10 にアクティビティトラッカーのVivofitを組み合わせたような
Forerunner 15 が発売開始しました。
英語ですが、質のいいレビューが
DCRainmakerさんのサイトで読めます。
いつものペースだと、日本版ForeAthlete 15Jの開発はおそらく半年以上かかるでしょうね。輸入版も現時点ではアマゾンでは見つかりませんでした。
追記:2014年8月末に日本でもForeAthlete 15J発売だそうです。
古くてもいいからその他のガーミン製品一覧を見たい方は、拙記事「
Garminのリセット方法一覧」もご覧ください。またガーミン社以外からも、機能毎に1万円台~5万円ぐらいまでの広い価格帯でいろいろなメーカーがランナー用GPS搭載ウォッチを出しています(参考:
アマゾン商品一覧
)。
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