2013/09/24

出るか世界記録?!ベルリンマラソンの注目選手(2013/9/29)

世界の5大マラソンといえば、ワールドマラソンメジャーズのポイント対象レースの、
  • ボストン(4月中旬)
  • ロンドン(4月下旬)
  • ベルリン(9月下旬)
  • シカゴ(10月上旬)
  • ニューヨークシティ/NYC(11月上旬)
のことを指しているらしいのですが、近年は東京マラソン(2月)が加わって、6大マラソンになったそうです。

今週末(9/29日曜日)はベルリンマラソン2013!ということで、注目選手をまとめてみました。

以下、ソースは主にベルリン・マラソンのプレスリリース(9/4)とランナーズワールドと各選手のウィキペディアページとニッカンスポーツ(9/14)から。敬称略。


<9/29追記>
ネットでの生ストリーミング中継はユニバーサルスポーツ、ツイッター実況は@berlinmarathonE にて。

結果出ました。ウィルソン・キプサング、世界新記録おめでとう!!
↑のページにはシューズやペースランナー、下で取り上げなかった選手についても触れています。

<9/30追記>
過去3回の男子フル世界新はアディゼロ・ジャパンで作られた」もよかったらご覧ください。シューズについてです。



男子

コース記録は2011年の2:03:38 (パトリック・マカウ)。
2012年に2:04:15で優勝したジョフリー・ムタイは11月のNYCマラソンに出場予定。
2013年の注目選手は以下の通り。

選手国籍自己ベスト
Patrick Makau
パトリック・マカウ
KEN2:03:38
(Berlin 2011)
Wilson Kipsang Kiprotich
ウィルソン・キプサング・キプロティチ
KEN2:03:42
(Frankfurt 2011)
Eliud Kipchoge
エリウド・キプチョゲ
KEN2:05:30
(Hamburg 2013)
Geoffrey Kipsang
ジョフリー・キプサング
KEN2:06:12
(Berlin 2012)
Marílson Dos Santos
マリルソン・ゴメス・ドス・サントス
BRA2:06:38
(London 2011)
Haile Gebrselassie
ハイレ・ゲブレセラシェ
ETH2:03:59
(Berlin 2008)
Ronaldo Da Costa
ロナウド・ダ・コスタ
BRA2:06:05
(Berlin 1998)
Paul Tergat
ポール・テルガト
KEN2:04:55
(Berlin 2003)
Suehiro Ishikawa
石川 末廣
JPN2:09:10
(Biwako 2013)
Kouji Kobayashi
小林 光二
JPN2:10:40
(Chicago 2012)

参考:日本記録は高岡寿成2:06:36 (Chicago 2002)。

いつものことですが、ケニア(KEN)・エチオピア(ETH)の存在感はすごいですね。

マラソン公認コース(※)での世界歴代記録トップ3のマカウ、ウィルソン・キプサング、ゲブレセラシェの豪華メンバーが揃ったかと思いきや、世界最速のマカウは怪我のため欠場だそうです。

※公認でないコースは片道になっていたり、標高差が42m以上の下り坂だったり。ちなみにボストンは非公認です。

ウィルソン・キプサングは25歳までプロのアスリートではなかったという超遅咲きですが、現在31歳でフルのベストが2時間3分台の怪物。米国、英国、ドイツ、日本(2011年びわ湖毎日マラソン大会新)、UAEの数々のハーフ/フルの大会で優勝し、2012ロンドン五輪では銅メダルでした。過去2年のロンドンマラソンではマカウとの直接対決で2度勝利。歴史上、フルを2時間5分以内で3回走ったことがあるのは、ゲブレセラシェと彼のみ。安定して結果を出せるのはすごいですね。今回も当然優勝候補です。スピードのでやすいベルリンなら、自己ベストを4秒縮めるだけで世界記録更新も…?!追記:「この日のために40人の仲間とベストを尽くして練習してきた。コンディションが完璧で気温10~19度なら世界記録も狙える」というような主旨の発言がありました(RW)。ちなみにweather.comの天気予報によると、日曜のベルリンは最低6度・最高16度!!

キプチョゲは今年春に2時間5分台の鮮烈なマラソンデビューを果たしたばかりで、まだまだこれから伸びそうですね。世界陸上2003、5000m金。28歳。スピードに定評のあるモハメド・ファラー(過去記事参照)と2012年2月に室内2マイル(3.2km)で直接対決をし、勝利しています。

ジョフリー・キプサングは一部報道で「Geoffrey Kiptanui」(21)となっていましたが、訂正が入り「Geoffrey Kipsang」(20)に。彼は1992年生まれと非常に若く、マカウが世界記録を出した2011年のベルリンで、ゲブレセラシェのペースランナーを務めています。2012年のベルリンでの初マラソンで、2:06:12の好タイムを叩きだしており、マラソン界の期待の星に違いないです。今年のRAKハーフマラソン(UAE)では、58:54の驚愕タイム(世界歴代7位、マカウのコース記録まで2秒)で優勝。年齢的に、7年後、東京五輪で見られるかも?!要チェックですね。ちなみにウィルソン・キプサングと苗字は同じですが、親戚ではないとのこと。

サントスは2006年と2008年のNYC優勝者。36歳です。

ゲブレセラシェダ・コスタテルガトは3人とも過去にベルリンマラソンで世界記録を更新した超大物選手!ただ、40代前半とピークを少し超えた感があり、優勝争いは難しいと思います。

マラソンの記録を塗り替えてきた選手がこれだけ一つのレースに集うとは、とんでもないイベントですね。

日本からは石川(ホンダ)、小林(スバル)が参加。小林は89年生まれと若く、これからが楽しみ。健闘を祈ってます!!

女子

コース記録は2:19:12 (野口みずき、2005)で、これは女子の日本記録でもあります。
2000~2005年まで日本人が6連覇(松尾、高橋、高橋、橋本、渋井、野口)。
2012年の優勝者、アベル・ケベデはベルリンもシカゴもNYCもエントリーしていないようです。2013年東京を制した勢いで、2014年の東京で2連覇を狙っているのかな?
2013年の注目選手は以下の通り。

選手国籍自己ベスト
Florence Kiplagat
フローレンス・キプラガト
KEN2:19:44
(Berlin 2011)
Irina Mikitenko
イリーナ・ミキテンコ
GER2:19:19
(Berlin 2008)
Georgina Rono
ジョージナ・ロノ
KEN2:21:39
(Frankfurt 2012)
Sharon Cherop
シャロン・チェロップ
KEN2:22:39
(Dubai 2012)
Helah Kiprop
ヘラー・キプロプ
KENdebut
Desiree Davila
デジレ・ダビラ
USA2:22:38
(Boston 2011)
Isabellah Andersson
イザベラ・アンデション
SWE2:23:41
(Dubai 2011)
Remi Nakazato
中里 麗美
JPN2:24:29
(Yokohama 2011)
Eri Hayakawa
早川 英里
JPN2:26:17
(Nagoya 2013)


女子本命は、ベストだけで見ると2011年の優勝者キプラガトと、地元ドイツのミキテンコ?

フローレンスキプラガトのここ1年の戦績はRAKハーフマラソン5位、ロンドンマラソン6位とそこまで振るっていないという評価だそうです。一応10000mの女子ケニア記録30:11.53を保持しており、実力満点。ちなみにコーチはイタリア人のレナト・カノーヴァ。同じコーチに指導を受けるモーゼス・モソップ(非公認コースボストンで2:03:06の化物)は元夫で2012年に離婚。その影響が過去1年のレースに出ていたんでしょうかね。だとするとそろそろ好転する頃かな?本人は2時間19分台でいけると発言しています(RW)。

ミキテンコは41歳とちょっとピークは過ぎた模様で、少し不利。ただ、2:25:43を超えるタイムを出せたらと、マスターズクラスの世界記録が更新できるそうです。

チェロップは29歳。ボストンマラソン2012で優勝して以降、トリノ1位、ボストン3位と安定した結果を出しているそうです。今回も上位に入りそうですね。

キプロプは2013年のロンドンマラソンでペーサーを努めたが、マラソンは今回が初。PBは5,000mが15:33.90、10,000mが33:03.8、ハーフが1:07:39。今年のベルリンハーフマラソンでも1:07:54で優勝しています。

ダビラは疲労骨折による12週間のオフから6月に復帰。8月に結婚したばかりだそうで、ベルリンの後はヨーロッパでハネムーンだそうです。コーチはフランク・ガグリアーノ、76歳。

日本からは、「Qちゃん2世」といわれるダイハツの中里、TOTOの早川が出場。本命の調子がそこまで振るわないだけに、ひょっとしたらひょっとするかもしれないですね。頑張ってください!!応援してます!!

中里は88年生まれ。Qちゃんに本当に似ています(→NAVERまとめ - 中里麗美と高橋尚子のそっくりを画像で比較してみた)。体重が36~37kgってなってるプロフィールが多いんですが、すっごく軽いですね。2011年の横浜国際女子マラソンで自己ベストの2:24:29を記録。年齢的にもまだまだ伸びるはずで、日本の女子フルマラソン歴代10傑の10位の2:23:26を破る日も近いかも?!2020年の東京五輪で見ることはできるでしょうか?

早川は81年生まれで都立駒場高校出身。私も同世代で同じ最寄り駅に高校があったので、すれ違ったことぐらいはあったかも!?なんか親近感がわきました!大学4年時にホノルルマラソンで、日本人選手として初優勝。長年のスランプを乗り越え、今年の名古屋ウイメンズマラソンで2:26:17の自己ベストを記録したそうです。何年もかけても数分しか記録が伸びないプロの世界って、ほんとモチベーション維持が大変だと思うんですが、継続する姿勢を尊敬してしまいます。

ちなみに、ベルリンは過去に世界記録が8回も出ている記録の出やすい大会です。今回は節目の第40回ということで、ベルリンマラソンで8回の世界記録を出した選手全員(Qちゃん含む)がベルリンに集まってお祝いする式典があるそうです。

そう、Qちゃんはベルリンで世界記録を出したんですね。
2001年9月30日のベルリンマラソンでは、女子初の2時間20分突破となる2時間19分46秒の世界新記録(当時)で優勝。前世界記録保持者はテグラ・ロルーペ(ケニア)の2時間20分43秒で、1分近くの更新であった。高橋の世界記録樹立での優勝は、女子初のサブ20達成での歴史的事象であるとともに、日本女子マラソンが初めて世界記録を更新した瞬間でもあった。高橋は女子マラソン世界記録を更新した、ただ一人の日本人選手である。
ウィキペディア:高橋尚子より)

当時はランニングにそこまで興味がなかったのでどれだけすごいことかよくわかっていなかった気がしますが、改めて見てみるとものすごい偉業ですね!


P.S.
東アフリカ勢の名前、似ている人が多くてややこしいです。スティーブン・キプロティチ、ウィルソン・キプサング・キプロティチ、ジョフリー・キプサング、ジョフリー・ムタイ、エマニュエル・ムタイ…。

ランナーズワールドの記事もムタイの走るレースを間違えていたので、メールで教えてあげたら数時間で直してくれました。アドバンスト・マラソントレーニングの共著者ダグラスさんとメールしてしまった…(`・∀・´)エッヘンw





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