2014/01/17

VDOT表もパワーアップ☆「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」第3版発売!

あの本の第3版が、第2版から8年を経て出版されました!
発売前からアマゾンで予約していたのですが、昨日ようやく手元に届きました。

世界で最も著名な陸上コーチの一人である、氏のベストセラーです!


第3版の主な加筆点

  • ランニングにおける10の基本法則
  • 様々なアプローチや練習量による成功事例
  • 週間走行距離だけでなく、ストレス(負荷)の強度による練習記録法
  • レスト(休養)は練習を避けることではなく、練習の一部としての位置づける
  • 男女ごと&さまざまな年齢のランナーの走力を比較できる新VDOT表
  • 初心者からエリートまで幅広い種類のマラソン特化の練習プログラム

おおお!最後2つは特に嬉しい。

男女のタイムの差ってボストン参加資格を参考に、フルマラソン30分差で同じぐらいの実力かな~と思っていましたが、第3版で追加された表にはデータに裏付けられた換算値が載っています。さらに、同様に年代別の相対的な走力比較もできてしまいます。

また、第2版ではハーフとフルマラソンが同じ章でしたが、第3版はフルマラソンの章が独立しており、50ページも割かれています。


第3版目次


  • 第1章:The Ingredients of Success(成功のための要素)
    才能、モチベーション、機会、方向性、そして新規追加の「ランニングの基本法則」
  • 第2章:Training Principles and Running Technique(練習の原理とランニング技術)
    どの練習をするとどういう能力が上がるのかの理論が明確で、特定の練習をする意義がわかります。第2版で読んだときは目からうろこの連続でした。
  • 第3章:Aerobic and Training Profiles(有酸素能力と練習の分析)
    最大酸素摂取量やランニングエコノミーについてなど。男女差が出る原理など。
  • 第4章:Training Runs and Intensities(各練習方法と強度)
    有名なR, I, T, M, Eペースの練習についての説明。
  • 第5章:VDOT Values(VDOT)
    走力換算ができる画期的なVDOTシステムについての詳細。
  • 第6章:Season Training(シーズン内練習計画)
    フェーズごとのトレーニング例など。
  • 第7章:Fitness Training(体力向上練習)
    ウォーキングからストライド走、筋トレまで。
  • 第8章:Altitude Training(高地練習)
    エリート向け高地トレーニング。
  • 第9章:800-Meter Training(800mのための練習)
  • 第10章:1,500 to 2-Mile Training(1500~3200mのための練習)
  • 第11章:5K to 10K Training(5K~10Kのための練習)
  • 第12章:Cross Country Training(クロスカントリーのための練習)
  • 第13章:Half-Marathon Training(ハーフマラソンのための練習)
  • 第14章:Marathon Training(マラソンのための練習)
  • 第15章:Training Breaks and Supplemental Training(休養と補助練習)
    長期休養や怪我から復帰したときの練習、クロストレーニングなど。
全305ページ

とりあえず、ぱっと読みたい人は4、5章だけでも役立つはずです。
もうちょっと時間がある人は1~5章を集中的に読むのがお勧め。


▼左:第2版、右:第3版
「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」第2版と第3版

第3版表紙はJanet Cherobon-Bawcom


内容を一部紹介


▼新たに追加された性別・年齢別の走力(VDOTレベル)比較の表
VDOTテーブル(性別・年齢別の走力)

私の場合、VDOTは50ちょっとなので、VDOTレベルは10段階中「4」みたいです。

女子のVDOT=44.6と同じぐらいのレベルなんですね。
ハーフマラソンで言うと男女差は10分ちょっとです。

▼年齢も加味したレベル換算表
進化したVDOTテーブル(年齢も加味した走力換算表)

18~38歳男子の私には第2版でも十分だったかもしれませんが、
それ以外の方にはすごく役立つと思います。

18~38歳はひとくくりですが、それ以外は1歳刻みのデータになっており、
範囲はなんと6~58歳
ランナー人口のほとんどをカバーしていそうですね。

そもそもランニング・フォーミュラって?

そんな方のために、軽く紹介します。
こんな本です。

  • 対象距離:800m~フルマラソン
  • 対象者:初心者からオリンピック選手まで
  • 累計販売数:14万部
  • 著者:ジャック・ダニエルズ。元五輪選手、ランナーズワールド「世界のベストコーチ」選出コーチ、博士(運動生理学)。
  • 某書評:「(ダニエルズ式は)アメリカで最も保守的かつ主流な練習法」


以下引用。
ダニエルズ本がすごいのは、長距離走のパフォーマンスを様々な要素(前エントリーのLT、ランニングエコノミーなど)に分解し、それぞれにあった練習方法を具体的に提案しているところ。つまり、この本があればコーチがいなくても一人で練習できます。
そしてさらに、ある距離のベストタイムがわかると、VDOTという最大酸素摂取量をベースにしたモデルを使って、別の距離のタイムと練習ペースをはじき出せる表を作り出したのも画期的です。


ロンドンオリンピックの陸上競技長距離種目で金メダル2個のモハメド・ファラーや10000m銀メダルのゲーレン・ラップはこの理論に基づいてトレーニングを行っているそうです。アフリカ勢が長く上位を独占してきた長距離種目ですが、この理論が浸透してから、アメリカでは長距離選手が次々と誕生し、成果を上げています。日本でも高岡寿成さん(マラソン日本記録保持者)が紹介し、一気に広まりました。個々のトレーニング内容の解説が具体的で、メニューを多く例示しているので、多くの中長距離選手、市民ランナーのバイブルになるのではないでしょうか。
(引用元:日本語版、アマゾン最も参考になったカスタマーレビュー by 植田さん



拙ブログ過去記事では、ダニエルズ本で紹介された閾値走インターバル走についてそれぞれ触れています。また、公式VDOT計算ツールの使い方、ダニエルズさんのコーチングサイトや、練習でVDOTを上げるタイミングについても書きました。


市民ランナーの私の場合、この本をどう練習に取り入れているかというと、

1. レースのベストタイムからVDOTを出す
2. そのVDOTに対応するペースでスピード練(Iペース、Tペース)
3. ジョグもできればEペースになるように走る

と、最近は上のような感じです。
長期的な練習メニューなどはなく行き当たりばったり
なんですが、個々の練習はダニエルズ方式を参考にする感じです。


第3版はまだ英語版のみ


ランニングフォーミュラの日本語版は、まだ第2版の翻訳版しか出ていません。

英語版しかない第3版は、英語の勉強にもなると思いますし、VDOT表だけなら英語力なくても見られます(笑)


ダニエルズさんも序章で書いていますが、個人差があるので万人に対して完璧な理論というのはありません。でも、練習の意味や強度の目安が知りたいランナーには、こういう本はぴったりだと思います。

というわけで、6~58歳で初心者~オリンピックレベルの中長距離のランナー(広いw)の方はぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。




▲日本語版

▲英語第3版

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7 件のコメント:

  1. ちゃらら2014/01/17 21:05

    パワーアップした表だけでも気になりますね!
    てか、SCRさんのVDOTってもう少し高いイメージでした。50ちょいくらいですっけ?

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    1. たしかに新しい表だけでもなかなか価値あると思います!

      よく見たらVDOT=53.7で練習してるんで、VDOTレベルは10段階の5(VDOT55)のほうに近かったみたいです。
      でも、5Kより長いとやっぱりVDOT50ぐらいなんで、長距離が課題ですね~~!

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  2. ハイドレ焼酎2014/01/18 4:10

    理論苦手だけど男女差ってずっと気になってたんで、読んでみたくなりました。
    ですのでとりあえず3rd editionのKindle化リクエストしときました。
    私もボストンのqualifyong timeが男女で30分差なので男女差は30分って思ってたんですが、そう単純なものじゃないのかも知れませんね。

    私はボストンのqualifying timeまで15分ですw

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    1. キンドル派なんですね。
      電子版なら海外からのshipping時間かからないのでいいですね。

      BQまで15分ですか!もう手が届きそうな感じですね。
      私はあと10分です。今年中にはなんとか達成したいですが、どうなることやら・・・?!

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  3. お久しぶりです。覚えていらっしゃらないかもしれませんね。10月頃に一度参らせて頂いた「テネシーウィスキー」です。
    ランニング・フォーミュラ第3版とても気になっておりました。最近アドバンストに浮気をしていたところでしたが、フォーミュラも第2版の欠点が改善されていそうですね。私、英語力には自信がございませんので日本語版を待ちますが、今後も情報発信して頂けると有りがたいです。
    私のブログでも、当ページ紹介させて頂きますね。

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    1. お久しぶりです。もちろん覚えております。
      最近、はじめてテネシー産のほうのダニエルズも買ってみました(笑)

      また何か新しい点が見つかったら書きたいと思います。
      それと、まだ未読ですが、ダニエルズ式をベースにした練習方法の本のレビューもする予定です。

      記事のご紹介、ありがとうございましたm(__)m

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  4. もうKindle版出たんですね!
    好きなテーマだとリーディングも捗りますね(笑)

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