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2013/11/29

裸足系vsクッションたっぷりシューズ、フォームに違いは出るか?

全然違う種類のシューズを履いたら、フォームに違いは出るでしょうか?ほんの一例ですが、海外人気ブロガー、ランブロガーさんのブログにそんな内容の面白い記事が載っていました。

マキシマリストシューズとミニマリストシューズ


タイプの違う3足


1足目はHoka One One(ホカワンワン/ホカオネオネ)という、クッションを「これでもか!」というぐらい入れているシューズ。

見た目は、ずんぐりむっくりな感じ。
この厚底ソールのボリュームは普通のシューズの2.5倍だとか。

「ミニマリスト」の反対なので、海外メディアは最近「マキシマリスト」シューズと呼ぶこともあるようです。

ホカオネオネ
(写真:Hoka One One - Stinson Tarmac)

踵着地でもコロリンっと、スピードを殺さないで走れるような形状にデザインされています。

ホカオネオネ


ウルトラマラソン・トレイルレースで人気のシューズのようです。
2010年のハセツネ(日本を代表するトレイルランニングレース)で優勝したアスリートが着用していたシューズ
100kmを超えるウルトラマラソンやトレイルレースでの着用者が多いのは、このシューズが着地時の衝撃を確実に吸収し、脚への疲労を軽減していることを証明しているといえる。
優れたクッション性に加えて約300g(26.5cm)と軽く、トップアスリートだけでなく「これまでのシューズではヒザなどが痛くなってランニングを諦めていた」というビギナーランナーにもいいかもしれない。
(引用元:日経トレンディネット - バネ内蔵、超厚底…“異色ランニングシューズ”が続々日本上陸!)

追記:ホカワンワンは間違った読み方と思いきや、Hoka One One社の公式Youtube動画内ではホカワンワンと言っているので、英語圏ではこっちのほうが正しいようです。



2足目はK-Swissのありきたりな練習用シューズ。


3足目はVivoBarefootの裸足系シューズ。

1足目の対極にあるようなシューズで、クッション機能などを最小限にしたシューズです。この系統では裸足感覚のビブラムファイブフィンガーズが有名ですね。

VovoBarefoot - Evo

裸足系・ミニマリスト系シューズ(※両者は厳密にはちょっと違います)はソールが薄いので、こういう風にぐにゃっと曲がるのが特徴。

裸足系・ミニマリスト系シューズ
(写真:VovoBarefoot - Evo)

Evoの重さを調べてみると、230g(サイズ不明)。ターサージールがサイズによって150~180gぐらいなので、意外と軽くはないんですね。

この手のシューズはソールの厚さや、踵・つま先の高低差で種類がいろいろあり、踵が低く、高低差が少ないものほど裸足感覚に近いそうです。(いきなり履いて走ると怪我するリスクがあるので、試す方はよく調べてからにしてください…)

ちなみに踵・つま先の高低差はHeel-to-Toe Drop(HTドロップ)と呼ばれています。
踵・つま先の高低差(Heel-to-Toe Drop)
(写真:Running WarehouseによるYoutube動画のキャプチャ)

ランブロガーさんの別の記事による解説によれば・・・
HTドロップの数値は、低ければ低いほどランニング中にミッドフット~フォアフットで着地しやすくなる、と信じられている。この結果を裏付ける研究があるかどうかわからないが、私自身の異なるHTドロップのシューズを履いた経験と、私のラボでのHTドロップとフットストライクと関連を調べた非公式の実験によれば、これは正しい可能性が高い。
(引用元:RunBlogger - Heel-Toe Drop or Offset: What Does it Mean in a Running Shoe?)

なるほど、シューズのHTドロップによって着地しやすい位置が変わるかもしれないのですね。


実験

上の3足を順番に履いて走った様子を、ハイスピードカメラで撮影したというのが、こちらの動画。




比較してみると、おお、ほとんど同じフォームですね・・・!
(Youtubeのページで再生速度を0.25倍にするともっとわかりやすいです)


ランブロガーの著者のラーソン氏の分析によると、地面接地時の膝の曲げ具合とオーバーストライドではないフォーム(スネの垂直具合でわかるそうです)のおかげでシューズによる違いが出にくかったのだろう、とのこと。

なお個人差があり、シューズによって違いが出る人もいるだろうとのことです。むしろこっちのほうがよくあるパターンっぽいニュアンスで書かれていました。

私が思ったのは、今回は走ったのは一瞬でしたが、実際に長時間走るとなるとどうなることやら・・・?Evoで長距離の踵着地だと、痛くならないんでしょうか。あと、自然にフォアフットになるよう、靴底に出っ張りがついてるニュートンのシューズなんかだと違い出るのか、気になります。

フォームについて

動画のフォームなんですが、ラーソン氏いわく、とても良いフォーム。姿勢が良く、前傾具合も良いそうです。

私はコンパクトな腕振り、肩の前後のブレなささが勉強になりました。

別動画を見るとちょっと内股っぽくなっているのがわかりますが、解説によると、人によって体の動き方は違うので、これでいいそうです。う~ん、深い。プロの視点ですね。

※ラン・ブロガーの著者ラーソン氏は、フォーム分析の研究を10年やってきた元大学教授。現在もクリニックでフォーム分析の仕事をする傍ら、人気ブログを書いています。


ちなみに動画の中で走っている人は、 トライアスロンコーチのコーリン・クック氏。アイアンマン北アメリカ地区選手権の30-34才エイジグループで優勝してたりする、速い人のようです。今まで大した怪我はしたことはないそうです。レースではホカオネオネを履いているとか。

違うシューズを履いて練習する利点

シューズはクック氏が持参したそうなのですが、なぜ3足持っていたかというと、種類の違うシューズはそれぞれ違った負担を体にかけることができるからだとか。ラーソン氏もこの考え方を実践しているそうです。

確かに、同じ走り方、同じサーフェス、同じ勾配ばかりで練習すると、体の同じ部分が鍛えられ、鍛えにくい部分はそのままになってしまいそうです。一理ありそうですね。

<12/7追記>
違うタイプのシューズを履き回したほうが怪我のリスクが減るかもしれない、という論文(英語)が発表されました。同じシューズで体の同じ箇所に負担をかけるより、分散させることでリスクが減るようです。実際にどういう種類のシューズだといいかというと、ランブロガーさんのこの記事では、クッション系、レース用、トレイル用、ウルトラミニマル、ミニマルを一例としてあげています。


身近なハイスピードカメラ

フォーム分析をやってみたい方に朗報。普通のビデオカメラは約30fps(=1秒あたり30枚の静止画をつなげて動画にしている)ですが、iPhone 5sは120fpsで動画が撮れるそうです!

youtubeで探したら、iphone 5sで撮った動画が見つかりましたが、かなりのクオリティですね。これは使えそうです!


感想

まあ一例にすぎないのですが、今回のようにシューズの影響が少ない人もいれば、モロに出る人もいるんですね。

私の体験だと、SALTYさんにお借りしたニュートンを履いた時、NBミニマスを履いた時、ターサーを履いた時、全部違う感触がありました。思い込みかもしれませんが、自分の感覚としては走りが変わっていた気がします。

記事内にあるように、いろんなタイプのシューズを履いてトレーニングするのはいい作戦かもしれないですね。ホカオネオネは高すぎる(170ドル、日本のアマゾンでは2万円ぐらい)ので気軽には買えないですが、一度履いてみたいです♪



おまけ:ケニア人のシューズは?

以前にもちらっと書いたのですが、ケニア人選手のシューズとフォーム(フットストライク)の関係について、こんな考察があります。
ケニアのランナーは低サポートのシューズでレースを走るが、練習のときは大きくて、がっちりして、クッション性のあるスニーカーで練習している。おかしなことに、これらのシューズで走ったからといって、Saxby Leeの理論に反して、踵着地になるわけではない。いわゆるベアフットスタイルで走っているのだ。シューズはあまり関係ないのだろう。
引用元:Adharanand Finn著「Running With the Kenyans」(ケニア人と走る)



おまけ2:これからマキシマリストシューズが流行る!?

2009年に創業したばかりですが、いろいろと話題で勢いに乗っているホカ。

今後ウルトラやトレイル以外でも存在感を出してくるでしょう。最近は800mの Michael Rutt 選手のスポンサーになったそうです(英語記事)。

なお、クッションふかふかのマキシマリスト系シューズは、ホカだけではないようです!

Altra Olympus、Brooks Transcend、New Balance Fresh Foam 980、Vasque ShapeShifter Ultraなど、各メーカーが出してきているようです。それとホカも、オネオネシリーズで他にもいろいろな分厚いシューズを出しています。


マキシマリスト系は今後のランニング業界の流行になっていくかもしれません!・・・と、海外ランニングメディアでは噂されています。今後が楽しみですね。

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2013/11/28

新常識?水分補給は「渇く前」でなく「渇いてから」という理論

賛否両論?ランニングにおける10の俗説という記事には、「給水エイドには全て立ち寄ること」、つまり「水をできるだけ飲め」というのは俗説だという話がありました。

7. 給水エイドには全て立ち寄ること
スポーツ医のルイス・マハラム先生によれば、「ノドが渇いてると感じた時には、すでに脱水状態で手遅れであるというのは俗説」「ノドが渇いたら飲めばいい、そうすれば過剰なハイドレーションを防げるし、お腹のトラブルが起きる可能性を減らせる」

詳細を調べてみると、「渇いたら飲む(Drink to Thirst)」というアドバイスの多くがティム・ノックス博士のWaterloggedという本を参照しているので、今回はその本に書かれている「渇いたら飲む」理論を紹介したいと思います。

「渇いたら飲む」理論とは

読んで字のごとくですが、喉が渇いてから水分補給するのがベストだよ、という理論です。ノックス氏が昨年出した著書「Waterlogged: The Serious Problem of Overhydration in Endurance Sports」(水浸し:持久系スポーツにおける水分過剰摂取の深刻な問題)で提唱しています。



ノックス氏は痙攣の記事やセントラル・ガバナー理論の記事でも紹介した、南アフリカの運動生理学者。アマゾンの著者紹介によると、複数のスポーツ科学の論文誌編集委員を務めたベテラン研究者で、70以上のフル・ウルトラマラソンを完走したランナーでもあるそうです。

Waterloggedは数十年の大量の研究結果を元に書かれた本で、これだけのシンプルなメッセージ+αを伝えるのに450ページを費やしています(最初の原稿は1000ページ以上あったそうですw)。

長ければいいっていうわけではないですが、それだけ裏付けがある、ということなんでしょうね。そんな濃い内容を全部は紹介できない(※私はこの本持ってないです)ので、今回はノックス氏がランニング・タイムズに寄稿した記事(これは読みましたが長かったw)から要点だけかいつまんで紹介したいと思います。

「渇き」は最も信頼できる兆候

ノックス氏によれば、脱水で起こる唯一の症状は「喉の渇き」だとのこと。
体内の水分量が減ると、その分血液の成分(特にナトリウム)濃度が上がります。それによる浸透圧の変化を脳が検知することで、喉の渇きという症状が起きます。
(引用元:Running Times - Drink to Thirst)

だから、脱水を適切に防ぐには、信頼できる手がかりである「喉の渇き」を頼りに水分補給をしよう、とのことのようです。

記事にはもっと細かく、生理学的に○○ホルモンが△△に作用して喉が渇く、というように説明がしてありました。では理論はいいとして、実際はどうかというと、こんな研究が。
米陸軍省環境医学研究所の科学者は、異なる脱水レベルのグループ(体重の0%、3%、5%、7%の脱水)を作り、ノドの渇き、疲労、衰弱具合、立ちくらみ、めまいなどの兆候がそれぞれどれだけ脱水レベルと関連しているか調べました。脱水レベルとこれら各要素は相関が見られたが、一番強い兆候を表したのが喉の渇きでした。
(引用元:同記事)

喉の渇きは実際にも脱水の兆候をよく表すようですね。

ただ、昔ながらの説明だと、渇いてからだともう脱水が始まっていて手遅れで、パフォーマンスも落ちることだし、渇く前にどんどん補給しないといけないのでは・・・?と思いますよね。その答えも載っていました。

本当に脱水=パフォーマンス低下なのか?

過去に「水分補給とパフォーマンス」という記事を書いた時、ランス・アームストロング選手(いろんな意味で超有名な自転車選手)の著書より、「体重の4~5%の体液が失われると能力が30%低下する」というような内容に触れました。

これは事実なのでしょうか?

ノックス氏の記事によると、ある年の南アフリカ・アイアンマン(スイム3.8km+自転車180km+フルマラソンという過酷なトライアスロン)では、トップ5人のゴール後の体重を測ったところ、全員に6~8%の体重減が見られたそうです。そして、ニュージーランド・アイアンマンでも同様の傾向が見られたそうです。

仕組みはこういうことみたいです。

まず、走る燃料である脂肪&グリコーゲンの分の重さが失われます。さらには、筋肉/肝臓中にはグリコーゲン:水=1:3の割合で水分子が含まれているので、その分の再チャージはすぐできません(12~36時間かかる)。
この理論だけで、運動中に最低2,000g体重が減ることが説明できます。測定可能な体水分量が変わらないまま、1,000gの水分を失うことがある、という研究結果も。

なるほど…。体重が減るのは発汗だけが原因ではないんですね。

夏に1時間走って発汗で体重が2kg減った場合と、100kmのウルトラマラソンのゴール地点で2kg減っていた場合では大違い、とも言えるでしょうか。

燃料分の体重が2kg減ったとして、体重が減ったからといってそれを補おうと水分を2L摂ったら明らかに飲み過ぎですね。

6~8%の体重減は燃料分よりも減っていそうですが、そのぐらいの脱水ならパフォーマンスは落ちない(軽くなった分で相殺?)ということも推測できます。

※脂肪・グリコーゲンが燃料って何の話?という方は、手前味噌ですが、拙記事「マラソン前のグリコーゲンローディングについて」をぜひ。

※南アフリカ・ニュージーランド人のトライアスロン選手(恐らくでかくてゴツイ)と日本人のマラソンランナー(小柄・細い)だと体格がだいぶ違うので、体水分量の割合も違うかもしれず、上のトライアスロンでの数字がそのまま当てはまるわけではないのでご了承ください。

水分を摂り過ぎると・・・?

体に備わっている優秀なセンサー/アラームである喉の渇きベースではなく、時間や距離ベースで給水をすると、飲み過ぎてしまうリスクがあるとのこと。

飲み過ぎると腹痛リスクや、体が重くなることで不利になりますし、何より低ナトリウム血症/水中毒になると、最悪の場合は生命の危険が。
水中毒(みずちゅうどく、英: water intoxication)とは、過剰の水分摂取によって生じる中毒症状である。
人間の腎臓が持つ最大の利尿速度は毎分16mlであるため、これを超える速度で水分を摂取すると体内の水分過剰で細胞が膨化し、低ナトリウム血症を引き起こす水中毒に陥る。
症状
血液中のナトリウムイオン濃度の低下に伴い以下の症状が生じる。
(略)
100mEq/L - 神経の伝達が阻害され呼吸困難などで死亡
(引用元:ウィキペディア - 水中毒、強調は私による)

水中毒の死亡例

逆に水分を摂らないと・・・?

間違ったメッセージが伝わるといけないので強調したいのですが、提唱されているのは水を飲むのを我慢することではないので、要注意。飲まなきゃいけない、でも渇いたタイミングで飲むのが最適、ということのようです。

例外として、一部選手はあまり飲まない人もいて、高岡寿成さんがフルマラソン男子日本記録を2002年のシカゴマラソンで達成したときは給水なしだったらしいです(ちゃんとしたソースはないけど、ウェブ上にそういう記述がたくさんヒットしました)。

でも普通の人は、暑い日に水を飲まないでマラソンを走ったら、とんでもないことになりますよね。

例えば、ランネットの評価が36点/100点(342人)という低評価だった某大会。運営の不手際で給水切れを起こしたそうで、レポを読むと地獄絵図です。

15km給水を最後にその先給水はなく、25km以降は怖くて歩きました。喉はカラカラ、人がゴロゴロ、倒れているランナーを救護もせず進む自分の不甲斐なさに涙がでました。
救急車のサイレンが鳴りっぱなし、道の端に倒れたり動けない選手が何人もいて、リタイアバスや救護対応が遅れているのを感じた。
道のあちこちで嘔吐してる人、倒れてる人、救急車が何台も走り去り、まさに地獄絵図状態。
側溝水をすすらざるをえなかった屈辱感、倒れる人々を見捨てた罪悪感、高架からの逃げ道もなく、リタイアしても救護される目途がつかない恐怖・・・。ゾンビのようにうつろな目で歩く群れが、一人倒れると連鎖的に倒れていく、それも疲れ果ててうずくまるのではなく、意識を失い落ちていく、あと10メートルで陸橋の日陰があるのに、たどりつけず倒れ伏しているのです。あの一滴の水もない23キロ給水点で「次の給水点どこか不明&水の有無も不明」と聞かされてからの、絶望街道死の行軍を味わった仲間のランナーと、特に挫折せざるを得なかった無念のランナーたちのために、どうしてもこの大会の評価は最低点を付けたいのです。
(引用元:ランネット)


私も練習で経験してますが、喉が渇いた時に水がないと、ほんと辛いですよね…。

ノックス氏の記事で紹介されている研究によれば、ゴール時に7~10%ほどの脱水ではただちに影響のある健康リスクはないそうですが、15~20%だと臓器不全のリスクがあると書かれていました。

実際に「渇いたら飲む」でウルトラ完走した人の話

161kmの山岳ウルトラレースで「渇いたら飲む」を実践してみた、というiRunFarの記事を、日本語訳で紹介している良記事を見つけました。まず、こんな冒頭で始まります。
iRunFar.comで今年のWS100で9位の好成績を残したJoe Uhanが、南アフリカのスポーツ生理学の大家、Tim Noakes博士の近著、”Waterlogged”に書かれている補給の考え方をもとにWS100を走った結果について書いている。 
“Waterlogged”は「飲めるときに飲めるだけ」という水分補給の考え方はドリンクメーカーの宣伝にすぎない、塩分補給は無用、と説いていて、従来の補給の考え方(少なくともアメリカの考え方)を覆すものとして注目されている。
(引用元:DogsorCaravan - ウルトラマラソンでは水分と塩分の補給は最小限で、糖質補給は切れ目なく:”Waterlogged”からの教え)


Joeさんの体験談はというと、
Joeが今年のWS100を走ってみたところ、前半で体が重くなってペースがダウン。経験上いつも摂っていた塩分補給のサプリ(S!Caps)を摂ったところ調子が戻ってよい結果をおさめることができたとのこと。
これについてNoakes教授は、「塩分の摂取が脳に刺激を与えて良い結果につながったといえるかもしれないが、塩分を取らなかったからパフォーマンスが落ちるとはいえない」とのこと。
(引用元:DogsorCaravanの同記事)

う~ん、もっといろいろな人の体験談が知りたいですね。特にフルとウルトラで違いがあるのか、なども知りたいところ。

あと気になったノックス氏の説明:
・ランニングによって体温が上昇する程度は、運動量、具体的には走るスピードによる。100マイルのウルトラマラソンではスピードはさほど出さないのだから、特段体温上昇を気にする必要はない。
(引用元:DogsorCaravanの同記事)

ということは、距離によっては多めに飲んだほうがいいのかな…?


面白い記事でしかも日本語なので、興味のある方はぜひ上のリンクから全文を読んでみてください。

まとめ

ポイントをまとめると、こんな感じかと。
  • 水分補給タイミングは、「渇いてから飲む」がベスト
    • 渇きセンサーは優秀
    • 距離/時間ごとに飲むのは、飲み過ぎるリスク
    • 飲み過ぎも、飲まなすぎも、両方まずい
  • 持久競技での脱水とパフォーマンスの関係には誤解がある
    • 体重減は発汗だけではないので、減った分だけ水分補給してたら飲み過ぎに
    • 少々の脱水は実はそこまで悪影響がない

もっと知りたい方は「Drink to thirst」「Noakes Waterlogged」などのキーワードでググるといろいろ情報が出てきますが、まだ日本語の記事はほとんどないようです。

感想

実は最初は眉唾セオリーかと思ってました。「ノドが渇いてると感じたら手遅れ」「走った後は走る前と同じぐらいの体重になるぐらい水分を補給しろ」「脱水はとにかく避けなくてはいけないし、パフォーマンス低下にも繋がる」などと、今まで良く目にしていましたので・・・。

でも説明を読んでみると、今は少し説得されてきました(まだ少し引っかかるところもありますがw)。

「渇いたら飲む」を実際に試している方がいたら、どういう結果になったか教えてくださいm(__)m


関連記事(ブログ内)


関連記事(外部サイト)

  • iRunFar - Waterlogged – A Dogma-Shattering Book?
    本文中で紹介した記事のパート1で、Waterlogged本の解説(英語のみ)。この本には「渇いたら飲む」以外にも、「水分補給は熱中症予防にはならない」「ウルトラでは塩分補給の必要はない」「尿の頻度・色はハイドレーションや腎臓機能とは関係ない」などの従来の常識を覆すような主張があるのですが、本記事ではそういった点には触れませんでした。

タイプ別ハイドレーション


▲揺れにくい型

▲リュック型

▲手持ち型

▲腰巻き型
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2013/07/04

サロマ湖100kmウルトラマラソンの泣ける(?)動画

今日7/4は、アメリカは独立記念日の祝日。昨日休んだ分、トラックで20km走りました。道はガラガラでしたが、朝から結構ランナーがいました。




ところで、先週末はサロマ湖100kmウルトラマラソンだったみたいですね。リアルの知人にはウルトラを走るような人はいませんが、もしブログ読者で出た方がいれば、お疲れ様でした。(追記:今年の完走率は68.9%と、マラソンに比べたら大分低いんですね…。)

たまたまYoutubeで去年のサロマ湖の感動シーンを見つけましたので、そのことについて書きたいと思います。ゴール地点の動画なんですが、ランナーが制限時間まであとわずか10秒、というところでゴールに駆け込むシーンです。

左のほうを走ってる女性の方は力強いラストスパートで力を振り絞り、残り数秒のところでギリギリゴール。

ところが、右の男性は目の前にゴールがあるのに、心の中では全力で走ってるんでしょうけど、もうふらふらで、まともに走れていません。頭が完全に下がっていて、今にも倒れそうです。動かない体を無理やり動かしている感じです。13時間かけて99.9キロを走ってきて、残りわずか数十メートルのゴールまで、とにかく必死で走ってるんですね。

でも結局リミットの13時間が来てしまい、時間内完走に至らず。さぞかし無念だったろうなと思います。なんだか、じーんと来ました。なんだか、最近力を出し切れていないような気がする自分に、重ねてしまうんですよね。

↓この動画です。


さ、今日も仕事がんばります!

【本日のBGM】Steve Vai - The Infinite Steve Vai: An Anthology
【走行距離】本日20.6km、月間41.2km
【エリーマラソンまで】72日
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2013/06/13

ウルトラマラソンの痛み止め普及率が高すぎる件

フルマラソン42.195kmより長距離のウルトラマラソン。100kmはざらで、さらにいろいろな距離の大会があるようです。私はまだフルでもいっぱいいっぱいなので出ることすら考えたことはないですが、ウルトラマラソン関係のブログを読むのは好きです。

ブログ村のマラソンカテゴリーでも50kmとか60kmの練習会をやっているそうです(オカンさんのブログより)。練習でそれだけ走るってすごいですなぁ・・・。私は1回の練習では30kmちょっとしか走ったことないです。いつかはウルトラデビューする日が来るんでしょうか?!


ウルトラマラソンといえば、読売新聞のこの記事が面白かったです。
24時間でそんなにも走れちゃうものなんですね。耐久レースでのトイレの話なども生々しく、様子が伝わって来ました。岩本さんの数字でランの他の記事も面白いです。


それから、今年4月に14日間かけて1100km(!)を走破する、第1回台湾一周 国際ウルトラマラソン「ツール・ド・台湾」というのがあったそうですが、そこでなんと日本人の井上真悟選手が109時間25分21秒で優勝したそうです。ここ数日、井上選手のブログにレースのレポートが上がってきており、興味深く読んでます。

大陸を走って横断する僕の話。


また、ちょうどタイミングよく、ウルトラマラソンランナーと鎮痛剤・サプリに関するこんな記事がRunner's Worldに上がっていました。

記事中で紹介されている論文によると、スペインで行われたアル=アンダルス・アルティメット・トレイル・レース(5ステージ、計230km)に出場した32人のウルトラマラソンランナー(男26人、女6人、平均39.5±7.9才、ウルトラ歴7.7±9年)へのアンケートの結果、44%の人がレースまたは練習中に鎮痛剤・痛み止めを使ったことがあり、3%の人が常用してるとのこと。230kmのレースに出ようと思うかなりの熟練ウルトラランナーでもやっぱり痛みが出てしまうって、本当に限界を超えた過酷な距離なんですね・・・。

使用した鎮痛剤はNSAID/非ステロイド性抗炎症薬(60%)、アセトアミノフェン(40%)。使用目的は筋骨格痛 (筋肉痛、関節痛、骨痛)を抑えるため(65%)、疲労対策(24%)。医師に処方してもらった人はたった6%。使用のきっかけは友人のすすめ(56%)、自分で調べて(22%)、コーチから(6%)。入手経路はお店(47%)、薬剤師・薬局(47%)、インターネット(6%)。副作用があることについては3分の2の人が知っており、認知度は腎不全(27%)、胃腸障害(18%)、肝不全(9%)。

サプリメント・補給の使用率については、スポーツドリンク・電解液(67+%)、炭水化物飲料・ビタミン(50+%)、ハーブサプリ(38%)、ミネラル(38%)、マグネシウム(28%)、アミノ酸(25%)、カフェイン(22%)。論文のアブストラクトしか一般公開されていないため詳細はわかりませんが、逆にこっちはスポーツドリンクやアミノ酸の使用率が意外と低い気がしました。(あとマグネシウムがミネラルに入ってないのがちょっと謎。)

論文では、ウルトラマラソンでこんなに痛み止めが普及しているのも関わらず、3分の1の人が重い副作用について知らないということに警鐘を鳴らしています。脱水と鎮痛剤の組み合わせは腎不全のリスクが高くなり、もしそうなったら透析の可能性も…。

マラソン・ウルトラマラソンで痛み止め(上の井上選手のレポにも出てくるロキソニンなど)を飲んでいる方へ。効果てきめんなのでついつい飲んでしまいがちです。私も飲んだことがありますが、魔法のように効いてびっくりしました。ただ、飲まざるを得ない時は持病に注意し、脱水には要注意です。もし可能なら医師に相談しましょう。

ちなみにピッツバーグマラソンに出た時に、整形外科と内科の先生と一緒に行動していてそういう話になったときに聞いたのですが、整形外科と内科では痛み止めの使用に関する認識が少し違うこともあるようです(内科のほうが慎重)。なおその内科の先生は、お守りとしてしっかりロキソニンを携帯してらっしゃいました(笑)



サイト内関連記事


外部サイト関連記事
  • 厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル 急性腎不全(PDF)
    • 「NSAIDs、ACEI、ARB による腎前性急性腎不全は有効循環血液量の減少が大きな危険因子である。有効循環血液量の減少の最も多い原因が脱水である。」
  • ウィキペディア:NSAIDs
    • NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)系鎮痛剤は具体的にはロキソニン、イブプロフェンなど。
  • 2013/4/20 マラソン前の鎮痛薬の予防的使用は臓器にダメージを与える
    • 薬剤師さん執筆の専門的な記事。BMJの上と似たような論文や日本内科学会雑誌掲載の運動後急性腎不全についての論文など、関連文献へのポインター多数あり。曰く「急性腎不全の発症には脱水が重要な因子となるので、マラソンなんかは一番危険かも。」
  • iRunFar.com - Ibuprofen and Its Effects During Ultramarathons
    • イブプロフェン摂取とウルトラマラソンへの効果を調べた論文を3本紹介している英語記事。コメント欄も白熱。

関連論文
  •  Küster et al. 2013. "Consumption of analgesics before a marathon and the incidence of cardiovascular, gastrointestinal and renal problems: a cohort study". BMJ Open 2013; vol 3 issue 4. (abstract)
  • Wharam et al. 2006. "NSAID use increases the risk of developing hyponatremia during an Ironman triathlon", Medicine and Science in Sports and Exercise. 38(4): 618-622. (abstract)
    • 「アイアンマン・トライアスロン中のNSAIDの使用は低ナトリウム血症のリスクを高める」
  • Gorski et al. 2011. "Use of NSAIDs in triathletes: prevalence, level of awareness and reasons for use". Br J Sports Med 2011;45:85-90. (abstract)
    • 「トライアスリートにおけるNSAIDの使用実態およびリスク認識調査」
  • Davis et al. 2001. "Exercise-associated hyponatremia in marathon runners: a two-year experience".  The Journal of Emergency Medicine, vol 21, issue 1, pages 47–57.
    • 「マラソンランナーと低ナトリウム血症:2年間の経験から」。マラソン大会で低ナトリウム血症になった患者を調べたところ、NSAIDの使用傾向があった。
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