2014/05/31

なぜ運動前の静的ストレッチは逆効果なのか?

大分前に紹介した「賛否両論?ランニングにおける10の俗説」のうち、今回は次の俗説について掘り下げてみたいと思います。


2. ランニングの前にストレッチをすべし
トライアスロンのコーチ、ホリー・ケニー氏の説明によれば、筋肉が温まる前のストレッチは、故障のリスクが高まりますとのこと。

筋肉を伸ばしたまま数十秒静止するいわゆるストレッチは、厳密には静的(スタティック)ストレッチと呼ばれており、運動前に行うことの有害説が近年広まってきています。

この静的ストレッチ有害説、まだ知らなくても無理はありません。プロの方たち(理学療法士、コーチなど)にもまだ完全には広まっていないという、比較的新しい発見なのですから…。


発端

ジェフ・ゴーデットさん(コーチ・著者・フルPR2:22のランナー)の記事によると、Dr. Herbert Popeという研究者のこの論文によって、運動前に静的ストレッチをしてもしなくてもケガの発生とは全く関係ないことがわかったそうです。※すでに故障持ちの方は例外

2000年に発表されたこの研究を発端に、一気に研究が進んだようです。その後、静的ストレッチあるなしで比較をして、実は静的ストレッチをするとかえって垂直跳びや陸上タイムなどのパフォーマンスが落ちる!という研究報告が、いろんな独立した研究から出てきてしまいました。

スポーツ医学団体の見解

NYタイムズやランナーズワールドなどいろいろなところでも取り上げられ、各方面に広まってきています。

ランナーズワールドの「Should I Stretch Before or After My Runs?」(ランの前か後にストレッチをするべきですか?)という記事から紹介すると・・・
専門家によれば、静的ストレッチ(筋肉を伸ばしたまま数十秒静止するストレッチ)は練習前後どちらもすべきではないとされています。練習前は特にで、もしどうしてもやりたいなら練習後にとのこと。このテーマは近年よく論争されていますが、静的ストレッチが怪我を予防したりパフォーマスを向上させるエビデンスはなく、むしろ逆に怪我につながるとのエビデンスあり。
とのこと。

多くの新しい研究結果から、欧州スポーツ医学会のストレッチに関する公式見解では、「最大筋力を測る実験では、静的ストレッチがパフォーマンス低下につながる可能性のある固い証拠が見つかっている」と、スポーツ医学会も従来の考えを見直すに至っています。

※このブログではよく取り上げていますが、スポーツ界ではエビデンス(=根拠・証拠、特に医学生物学系では理論より実験と統計的分析によるもの)もないのに信じられている俗説が意外と多いです。

静的ストレッチあるなしでどれだけパフォーマンスに差が出る?

トップアスリートを多く抱えるナイキオレゴンプロジェクト(記事)の元コーチでスポーツ科学の専門家であるマグネス氏のブログのStretching?? Is it useless?という記事に静的ストレッチをした場合としなかった場合の研究報告が載っていました。
  • 単純運動:ニーエクステンションからベンチプレスまでいろいろなエキササイズで、1RMの6~8%の減少が見られた(※1RM=1回だけならかろうじて反復させられるぐらいの限界の重量)。
  • 垂直跳び:コンスタントに4~5%距離が落ちる報告があります。
  • ジャンプ系テスト:地面接地時間が伸びることがわかっています(ランニングではこれはマイナス)。
  • 40mダッシュ:大学陸上部(LSU)を対象にした実験だと、0.1秒遅くなりました。

これらの研究では、静的ストレッチの静止時間を15秒と30秒で比べても同じような結果で、逆に言うとたった15秒だけ伸ばしただけでマイナス効果が見られたとのこと。やり過ぎた時に悪影響とかではなく、適度に思われる静的ストレッチでも影響が出てしまうんですね。

一方2012年のサーベイ論文によると、もっと長い(60秒以上)静的ストレッチだと悪影響、と少し違う結論を出しています。

なおこの論文は静的ストレッチが筋肉の最大パフォーマンスに及ぼす影響を調べた査読付き論文4559件を調査した力作(そんなにあるのか…!)。その中で統計や実験設定がまともなのだけを選び、傾向を報告しています。グラフを1枚抜き出してみると、多くの独立した研究で同じような傾向、つまり静的ストレッチをすると瞬発力が下がっていることがわかります。

静的ストレッチの効果はマイナス

パワー系は平均して5%もパフォーマンスが下がるんですね…。

静的ストレッチがダメな理由

マグネス氏の同ブログは、ランニングにおける悪影響の原因として、弾性エネルギー(バネ)が失われることを主因としています。
(ストレッチは成績向上につながる?)いいえ、逆に害があります。短距離から長距離まで、多くの研究がパフォーマンスを下げることを裏付けています。どうしてかって?それは神経筋回りで起きる現象が主因なのですが、静的ストレッチにより筋動員低下・筋系の剛性低下が見られ、その結果ランニング中における弾性エネルギーが低下するのです。(訳注:つまり「バネ」が失われるってことですかね。)
The Science of Running - Common Misconceptions in Running


また別記事ではマグネス氏はこう説明します。
バネは固いほうがより多くのエネルギーを蓄え、また放出することができます。昔ならった物理の授業を思い出してください。フックの法則F=-kxによればバネの力Fは変位xとバネ固有の固さkに従います。わかりやすく言えば、硬いバネのほうがより「自由」なエネルギーを持ち、効率がいいということ。長距離走者が走れば走るほど体が硬くなるのには理由があるのです、つまり人間の体は順応するということ。
The Science of Running - Stretching?? Is it useless?

ストレッチして柔らかくなったほうが速くなるというのは、ほとんどのランナーが信じていることだが、実は間違っている・・・との主張です。(学術的な詳細は、こちらの関連文献をご覧ください:論文1論文2論文3


静的ストレッチ有害説の信ぴょう性は高い

同ブログによると、静的ストレッチが有害という仮説は、実験がコントロールしやすいので裏付けの信ぴょう性が高いそうです。
実際の所、長距離走において、ほとんどすべてのスポーツサイエンスの研究結果は競技には役立たずだと思う。モデル上の説明変数を分離しようとするのはいいけれど、本当は変数というは独立したものではないので、全体へ及ぼす影響を無視しているからだ。

だが、ストレッチングの研究は少し違う。結果(パフォーマンス)に対して変数がコントロールしやすいという実験環境にあるからだ。なので、ストレッチをしたときとしていない時で結果がどう変わるかなどが簡単に実験できる。こういった種類の研究はアスリートにとっても役に立つものなのだ。
The Science of Running - Common Misconceptions in Running

「ほとんどすべてのスポーツサイエンスの研究結果は競技には役立たずだと思う」・・・言い切りましたね。現場も知り尽くし、運動生理学の修士まで取り、いろいろな論文を読みあさってブログ紹介しているマグネス氏が言うだけに、痛快です。

他のトピックでも多々あるように、矛盾する結果が報告されることはあるようです(例:十分ウォームアップしてからなら悪影響はなくなるとの論文と、十分ウォームアップしても悪影響があるとする論文)。

ただ、多くの独立した研究結果が「静的ストレッチ→最大筋力低下」合致しているようです。

では静的ストレッチが役に立つのはどういう時?

運動後

(決定的な証拠はないが可能性としては、)もし仮にストレッチによってIGF-1 (インスリン様成長因子)と MGF(メカノ成長因子)の濃度が上昇するなら、運動後の静的ストレッチには効果がある。これらのホルモンを放出させてあげられれば、回復は早くなる上、適応とパフォーマンス向上につながるだろう。
The Science of Running - Stretching?? Is it useless?


故障持ちの人や慢性的な筋肉の緊張がある人

静的ストレッチで可動域が広がっても、それはランニングに本来必要のない箇所の場合が多いです。ただし、ケガや慢性的な筋肉の緊張がある人の場合(例えばふくらはぎなど)、走るのに必要な可動域が普通の人とは変わってくる場合があります。アキレス腱の痛みにつながるぐらいの固いふくらはぎは、ランに必要な足首関節や足底屈の動きを制限してしまうことがあり、そういう人には練習前でも静的ストレッチで可動域を広げることが効果的になります。
The Science of Running - Common Misconceptions in Running

では具体的な症状名はというと、五輪マラソン選手団のコーチなどを務めたマリオ・フライオーリさんの記事によれば、足底筋膜炎やアキレス腱炎にはふくらはぎの静的ストレッチが効果的な模様。故障持ちの方は、主治医にご相談を。


それから、ランニング以外の競技で柔軟性が求められるものや、試合前であっても静的ストレッチによって広げられる可動域によるメリットのある運動では、したほうがいいのかもしれません。これまでの研究からは、一番悪影響が大きいのは瞬発系競技の試合前と推測できます。

練習前は動的ストレッチを

勘違いしてはいけないのは、動的(ダイナミック)ストレッチのほうはむしろ推奨されており、練習前に行うとパフォーマンスが向上することが知られています。

動的ストレッチとは、アメリカスポーツ医学会の出しているACSM's Guidelines for Exercise Testing and Prescriptionによると「ある姿勢から別の姿勢までゆっくり移動し、回数を重ねるごとに徐々に範囲・可動域を広げていくストレッチ法」。

※「ダイナミック」という言葉から連想される激しい動きという意味ではないので注意。

たとえばランニング・タイムズ誌の「練習とレース前はダイナミックストレッチのほうが良い」(英語記事)という記事で紹介されていたメニューは、以下のとおり。

ダイナミックストレッチの例


他にもやり方はYoutubeで探すと動画がいっぱい見つかります。アスリートがやっている動画もあります。


まとめ

「なんとなく」の習慣で運動前に静的ストレッチ(筋肉を伸ばしたまま数十秒静止するタイプのストレッチ)をしている人は多いと思います。

ここ10~15年で急速に研究が進み、運動前の静的ストレッチはパフォーマンスを下げる(特に瞬発系)というエビデンスが多数報告されています。

運動前は静的ストレッチではなく動的ストレッチを、そして静的ストレッチをするなら運動後がいいようです。

※ケガで可動域の問題があるなどの事情がある場合は別。運動種目によっても違うので、詳細は整形外科にご相談を。

おまけ:マグネス氏のThe Science of Running書籍化!

上で引用しまくったマグネス氏のランニングブログ「The Science of Running」ですが、トップアスリートを指導した経験と、最先端の論文からの理論の両方から導き出された知見が惜しげも無く披露されており、大変貴重なリソースです。(ところでマグネス氏がアシスタント・コーチとして働いていたナイキ・オレゴンプロジェクトのゲーレン・ラップ選手が、昨日、事前に予告していたとおり10000mの米国新記録26:44:36を打ち立てました→動画。すごすぎです。この記事でマグネスが語るところによれば、ラップが他の選手と違うのは驚異的な回復力だそうで遺伝、トレーニング両方によるものだろうと語っていました。)

そのマグネス氏のブログが、今年2月に書籍化されていました。The Science of Runningの名の通り、スポーツ科学バリバリの濃い内容で、22章、344ページからなる力作です。アマゾンUSのレビューは、発売3ヶ月ちょっとで40件、5段階中4.5と高評価!日本のアマゾンでもキンドル版と紙の本が買えますが、英語版のみです。


本書には、こんなことが書かれているそうです(裏表紙より)。
  • 疲労とは何か?脳を中心とした疲労についての理論を最先端の研究から紹介
  • なぜ最大酸素摂取量はラボとトラック両方で過大評価・誤解されているのか
  • 心拍「ゾーン」トレーニングは、なぜベストなトレーニングではないのか
  • 練習を個々の生理学的特性に合ったものにカスタマイズする方法
  • 練習プロセスを「刺激」と「適応」という観点からユニークに評価する方法
  • 800mからフルマラソンまでの完全な練習メニュー例
レビューによれば、単なる医学・生物学のゴタクが並べてあるのではなく、すぐランニングに役立つエビデンスベースの知識が書いてある印象。

面白そう・・・(゚A゚;)ゴクリ


マグネス氏の科学ベースのトレーニングに対する考え方はこの記事でも紹介したのですが、彼の作ったあるスライド(下図参照)に集約されていると思います。コーチはアンチサイエンスかサイエンス盲信派の両極端に分かれがちだが、それは両方とも間違っていて、強み・弱みを理解した上で、強くなるための科学知見を有効に利用しようということですね。


【著者プロフィール】
スティーブ・マグネス(Twitter: @stevemagness
現在ヒューストン大学クロスカントリーチーム、ヘッドコーチ。現在コーチする主な選手はJackie Areson (2013世界陸上出場、4:12-1500、15:12-5k)、Sara Hall、Tommy Schmitz。ナイキ・オレゴンプロジェクトでのアシスタント・コーチ経験、オリンピック選手への指導経験もあり。1マイルでのテキサス州高校記録(4:01.02)を保持する元中長距離選手。ヒューストン大学学士(運動生理学、2008年)。ジョージ・メーソン大学修士(運動生理学、2011年)。


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2014/05/30

米ビブラムが1足最大$94の返金手続き開始~5本指シューズの健康効果誇張による集団訴訟を受け

今月初め、ビブラムUSAが集団訴訟を受け和解案を出していましたが、ついに返金申し立てのサイトがオープンした、とランナーズワールドが報じています。
対象商品
ビブラムファイブフィンガー(VFF)シリーズ35種類
対象者
米国で2009年3月21日~2014年5月27日に対象商品を買った人全員
(※以前はレシート不要と報じられていましたが、要レシートになった模様)
返金額
1足あたり最大$94(同様の和解事例に習うと$20~$50になりそうとのこと)、1人2足まで
申し立て締め切り
2014年9月24日
申し立て用URL
https://www.fivefingerssettlement.com/claim/

ビブラムファイブフィンガーシリーズの典型的な5本指シューズ
▲VFF (Vibram FiveFingers) 5本指シューズ BIKILA LS



集団訴訟の背景


この訴訟は2012年から続くものだそうです。ようやく辿り着いた今回の和解については日本のニュースメディアはほとんど取り上げていないようです。
 手袋のように5本の足の指をそれぞれ分けて履くランニングシューズを製造・販売しているビブラムUSA(株式非公開)が、5本指シューズの健康効果を誇張していたとして提訴されていた件で和解に向けて動き始めた。

 ビブラムは自社製品の購入者に総額375万ドル(約3億8100万円)を支払うと提案したほか、今後は広告の中で健康効果をうたうことをやめると明言した。

 集団訴訟の原告団はマサチューセッツ州の地方裁判所に訴状を提出、その中で、5本指シューズを履けば筋肉が鍛えられてけがを予防できる、という根拠のない宣伝文句のおかげで、ビブラムは1足100ドル近い価格でランニングシューズを販売することができたと主張している。
(2014/5/9) ウォールストリートジャーナル日本版:靴メーカーのビブラムUSA、健康効果訴訟で和解案


なお、日本は対象外・・・?
ビブラムファイブフィンガーズを日本に輸入しているBarefootinc Japanに日本での対応を聞いてみると「日本法人としては米国の訴訟で問題になったような誇張表現についてはもとから取っていないので、特に返金対応などは予定しておりません。今後も、正しい使い方の周知を徹底させていきたいと思います」とのことだった。
(2014/5/13)日刊SPA! - 「ベアフットラン」用靴で米靴メーカー、集団訴訟で返金に



ビブラムのマーケティング


私はVFFを持っていないので感想は書けませんが、売り文句が誇張されすぎてるな~と思うことはあります。

裁判資料(英語PDF)によれば、ビブラム社が科学的根拠に基づかずに広告やウェブサイトで主張していたというVFFの効果は以下のとおり。
(1) 足と下腿の筋肉を強化する
(2) 足首、足、つま先の可動域を広げる
(3) バランスと敏しょう性に重要な神経系を刺激する
(4) 背骨の歪みを取り、姿勢を改善する
(5) 足とカラダが自然に動けるようになる

ビブラムUSAの元CEOはマーケティング戦略がうまい人だったみたいです。
ビブラム社は元々は保守的で、宣伝なども殆どしない会社。いい物は宣伝しなくても売れる。そんな会社なのですが、Vibram USAの代表のTony Postは超マーケティングが出来る人で、戦略をしっかりと立て、BORN TO RUNという世の中のランナーに超強烈な衝撃を与える本とリバーマン博士の裸足で走った方が衝撃が激減するというデータとBIKILAの発売を合わせたのです。
(引用元:吉野剛の裸足ランニング - ビブラムファイブフィンガーズ開発秘話

↑ブログ村でも有名人、裸足ラン第一人者吉野さんという方のブログ。貴重なビブラム社についての歴史についての日本語記事で、興味深いです。

ちなみに米ビブラム元代表のTony Postですが、独立してシューズ会社を作り、自身の名前を縮めた「Topo」というシューズを作りました。「生まれながら本来持っているバイオメカニクスを増幅する」という謳い文句の、なんと2本指シューズです(笑)。以前書いた記事で触れましたので、ご参考まで:「はじめてのレースシューズ!【日米流行比較編】


トランジションは必須


ベアフット・ミニマリスト系シューズでケガをしにくい鍵は、「トランジション」(移行)の仕方だと言われています。距離や練習強度を徐々に増やしていったり、間にクッションやヒールトゥドロップが中間レベルのシューズを挟んで慣らすことですね。

コーチ・著者のジェイソン・フィッツジェラルド氏は、VFFへのトランジションは2~3年はかかることもあると言っています(ソース)。でも、聞くところによると、慣らしもせず普通のシューズから一気に切り替えてケガをするパターンは多いようですね。


履き回しの効果


ところで昨年、違うタイプのシューズを履き回したほうが怪我のリスクが減るかもしれない、という論文(英語)が発表されました。種類の違うシューズを履き回したほうが、それぞれ違う種類の筋肉に負荷を分散でき、ケガのリスクが減るようです。

海外の人気ブログ「ラン・ブロガー」の著者でフォーム分析が専門の元大学教授、ラーソン氏もこの考えを以前から持っており、例えばこの記事では、クッション系、レース用、トレイル用、ウルトラミニマル、ミニマルなどを履き回しレパートリーとしてあげています。

もしビブラムが効果的だとしたら、それは違うタイプのシューローテーションの恩恵によるものも大きいのかもしれませんね。私もそういう意味でミニマリスト系に興味あります。

ともかく、履くだけで痩せると謳ったシューズも訴訟になりましたが、履くとけが予防とか、短絡的な売り方はよくないですね!

※今回は短絡的な誇張マーケティングのせいで問題になりましたが、ビブラムが好きな方は何もやめる必要はないと思います。合っている人には合っているんでしょうし、これから長期的な効果が発見されていくかもしれませんし、裸足の感覚で走っていて楽しい・気持ちいい、というならそれをやめる必要はないですからね・・・!


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2014/05/22

「アンティークの首都」アダムスタウンへの旅で25軒のショップを巡ってきた話

2ヶ月前に「アンティークの首都」と呼ばれる、アダムスタウンに友人家族と1泊旅行で行ってきました。遅ればせながら、写真の整理ついでにレポしたいと思います。



アダムスタウンペンシルベニア州ランカスター郡にあり、うち(ピッツバーグ)から車で東に4時間。上の地図上の青で囲った所がそうです。


地図の右端に見えるのがニューヨーク・マンハッタン島ですが、そこから日本人向けのアダムスタウンへの買い出しツアーが出てるぐらい、アンティーク好きの人には有名な町のようです。

以前オハイオにアンティーク旅行に行った時は、巨大アンティークモールがどどーんとありました(参考:「全米最大のアンティークモールへの旅」)。今回はお店が各地に点在していましたが、一番密集していたのはアダムスタウン内でした。

アダムスタウンは小さい町で、片道1車線の272号線沿いにほとんどのお店があります。

ちょっとややこしいのですが、ファイヤーキングを作っていたアンカーホッキング社の本社のあるランカスターはオハイオ州。今回行ったランカスター郡はペンシルベニア州です。こっちのランカスターは、今でも電気などに頼らず馬車に乗って生活しているアーミッシュが住んでいることで有名です。


ではさっそく、写真とともにアンティークの旅をご紹介していきたいと思います。

まずは食器類充実のパインヒルズ(Pine Hills Antique Mall)から。
※写真はクリックで拡大

ファイヤーキング・ジェダイの棚
▲ファイヤーキングシリーズのジェダイ(緑のやつ)が人気だとか

どの店か忘れましたが、店員さんが友人家族を見るなり「ジェダイピープルが来た」と言ったそうです。

日本人はそれだけピンポイントに狙って買い漁って行くんでしょうね…。

私を含め、アンティークに詳しくない普通の人にとっては「ジェダイ」と言ったら、ライトセーバーを持ったフォースを操る選ばれし人たちのはず・・・。そう思うと、ジェダイピープルはなんだかカッコイイ響きですねw

※ファイヤーキングのジェダイはjadeite(ヒスイ)であって、jediではありません。



アンティークモールのブース
▲出店者(ディーラー)はブースまたはショーケースを借り、お店に販売を任しています。出品者がたまにいることもありますが、大抵いないので値切ったりはできません(例外あり)。

ここにもジェダイが…。
日本では1個数千円~数万円で取引されているとか。


Pine Hills Antique Mall
▲種類ごとにまとまってたりはしないので、全部のブースを回ることになります。


アンティークグラスの山!
▲うちの奥さんは感動してましたが、私にはよくわからず(^_^;)


ファイヤーキングのブース
▲同ブース。ここは有名なようで、いろんなアンティーク好きの方のブログでこのブースの写真を見かけました。


ファイヤーキングのマグカップ
▲大量のファイヤーキングマグカップ


サワークリーム・グラス
▲サワークリーム・グラス。中にサワークリームが入って売られていたとか。
うちの奥さんは、普段あまり見たことないと目を輝かせて言っていました。


アンカーホッキング社
▲アンカーホッキング社のかな?


パイレックス キャセロール
▲コーニング社(オールド)パイレックス キャセロール


パイレックス
▲パイレックス、床にまで溢れてます。



▲赤の縦縞のコップ(ヘーゼルアトラス)、目立ってました。


ピンクスワール、ターコイズブルー、アズライト(ファイヤーキング)
▲ジェダイの他、ピンクスワール、ターコイズブルー、アズライトも。
同じピンクでもローザイトはもっとレアなので、見かけなかったそうです(嫁談)

レアなジェダイ
▲レアなジェダイ?


食器系以外だと、レニンガー(Renninger's Antiques/Collectibles Market)という店も見応えありました。

Renninger's Antiques/Collectibles Market
▲広くてゴミゴミしててガラクタ率も高く、なかなか面白い場所です。
ただ、中はホコリっぽいです。

モーフィー(Morphy Auctions)という店では、運が良ければオークションが見られます。
一応アンティークも売っていますが、他の店とはちょっと趣向が違いました。


▲ゴールドディスク


▲ビールサーバー


他にも、他店で気になったのを紹介します。

ダック・デコイ
▲ダック・デコイ。鴨狩り用のオトリのダックです。
集めてる人いるんですね?


Hemingrayインシュレーター
▲Hemingrayインシュレーター。
100年前は電柱の上にこれが乗っていたらしい。
こんなの集めてる人いるんですね(^_^;)



▲感謝状
なぜかこんなのが売られていました。
こんなの集めてる人いるんですかね(*_*;



▲和物もちらほらありました。



▲ガラクタ?
こんなの集めてる人…(略)


アメリカ駐在妻の3種の神器「ロンガーバーガー」
▲ロンガーバーガー

ファイヤーキングとロンガーバーガーには意外な共通点が!

アメリカ駐在妻の3種の神器と言えば、Fire King、ルクルーゼ、ロンガーバーガー
(引用元:アメリカごはん2)なんだそうです( ・∀・)つ〃∩ヘェーヘェーヘェー

※ちなみにこの駐妻3種の神器、検索するとソース多数です。ルクルーゼのかわりにウッドクラフトだったりとバリエーションもあるみたいです。


ハーシータウン
▲今回ハーシータウンの近くの店にも寄りました。
ハーシーは、あのハーシーチョコレートの町です。
写真はキスチョコの電灯@チョコレート通りとココア通りの交差点








というわけで、今回の旅行は全部で25軒ほどまわりました。

アダムスタウン周辺アンティークショップ一覧
▲10~21がアダムスタウン内のショップです。

今回写真をたくさん取り上げた16番パインヒルズは、テーブルウェアがたくさんあり、日本人に特に人気が高いようです。

Pine Hills Antique Mall
3 Adams Dr, Reinholds, PA 17569
717-484-6313
http://pinehillsantiquemall.com/
営業日:木曜~月曜(10時~17時)
定休日:火曜・水曜

13番スタウトブラックアンガス、14番レニンガーも大きいモールなので、見応えがあると思います。公式サイトによれば、それぞれ屋内ディーラー数は300と375。レニンガーは冬以外の日曜には早朝から屋外マーケットも開き、さらに300のディーラーが出店するとか。

※普通のお店は50~150ディーラーぐらい、全米最大のハートオブオハイオで650。

アダムスタウンは業者や目の肥えた人も多く、安くていいものはすぐ売れてしまうんでしょうね。商品の流動性が高い(=適正価格近くで売られる)ので、全体的に強気価格のものが多かったそうです。それでも日本で買うより全然安いようですが・・・。

レアなグラスもいっぱいあって、奥さん的に大満足だったようです!


アンティーク旅行の収穫
▲今回のアンティーク旅行の収穫。
1個3~5ドルで済みました。
ジェダイとか集めてなくてよかった( ´Д`)=3


旅のおかげで、うちの奥さんのアメリカンアンティーク食器コレクションがまたまた増えました。

アンティークコレクション1
▲コレクション1


アンティークコレクション2
▲コレクション2



P.S. 最近買ってきたという皿を見てみると・・・


▲左からオールドパイレックス、ポーランド食器、ファイヤーキング。

・・・!?

(つд⊂)ゴシゴシ

( ゚д゚)ハッ!

どこかで見た緑のブツが・・・!

ついにジェダイに手を出し始めたようですw
近所の掘り出し物で2ドルだったそうなので・・・まあ、いいかな?


※アメリカでは「アンティーク」というと厳密には製造後100年以上のものを指し、それより若いものはヴィンテージと呼ぶ習慣があるそうです。これは1966年に税法の便宜上作られた区別が発祥とか(ソース)。両方総称してコレクティブル。この区別を曖昧に使うショップもありますし、会話ではアンティークが総称みたいになっていることもあり、このエントリーでも全部ごっちゃにしてアンティークと呼んでいます。

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2014/05/12

ピッツバーグマラソン2014を応援してきた(ショートレポ)

先週はピッツバーグマラソンの応援に行ってきました!

マラソンにおけるペースメーカー(3時間30分ペース)
▲3時間30分のペーサーとその周りを走るランナーたち。

うーん、見てると走りたくなります。
でもフルはみっちり準備しないと無理だな・・・。


知人・友人も何人か出ていました。
出場した人の中には、遠方からの参加者も。
ちょうどゴールデンウィーク中だったので、昔ピッツバーグに住んでいた友人が日本から参加していました。


目隠しでマラソン完走
▲目隠しで走るランナー

目が不自由な娘さんがいるMike Brunoさんは目隠しチャリティランで、去年に引き続き医学発展のためのファンドレイジング。並走している人が黒いヒモでガイドしています。目隠しなのに3時間半と好タイムでの完走!よく転ばないもんですね。


プロカメラマン
▲プロカメラマンのノールックショット

このカメラマン、ローアングルから撮ってるんですが、
なんとファインダーを覗いてません!

ピントぼけたり斜めになったりしないんだろうか…。
プロの技術に感心した瞬間でした。



以上、手短ですが、ピッツバーグマラソン2014のレポでした!

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2014/05/08

サーモスの子供用マグボトルのストローの注文方法

うちの子はサーモスのマグボトルを使っていて、この間ストローだけ新しくしたいと思い注文したのですが、注文方法をメモがてら書いておきます。

※ちなみに日本にいる人は日本のサーモスのサイトから注文できるみたいです。



サーモスの水筒はこういうやつです。
ストローだけ外して洗えるんですが、それでも1年ぐらい使うと汚れが目立つようになります。


アメリカ在住者の場合、サーモスのサイトを見ると電話(1-800-831-9242)で注文できるとあります。

ところがこの電話、全然繋がらないんですよね…。
昼だったせいか、30分待ってもオペレーターに繋がりませんでした。

なので電話は諦め、待っている間に機械音声で時折流れるメールアドレスに問い合わせてみました。

すると、ストローの注文方法は電話以外にもメールと郵便の3種類あるみたいです。

We offer several methods of payment for your replacement straws. We accept VISA, MasterCard, and Discover, check or money order.  If you would like to place an order for this part, please feel free to contact our consumer service department at
1-800-831-9242 between the hours of 7:30 a.m. until 4:30 p.m. CST, Monday through Friday. You may also place your order via email by sending your request to consumer.service AT Thermos.com and providing your name, mailing address, phone number and credit card number along with the expiration date. You may also mail a money order or check for your replacement part to:
Thermos LLC
355 Thermos Rd
Batesville, MS  38606
Please include the model number, which is located on the base of the product; along with your name, mailing address and telephone number for all email or mail orders.

まとめるとこんなかんじ。

注文方法

  • 電話:1-800-831-9242 (平日7:30~16:30; CST/中部標準時)
  • Eメール:consumer.service AT Thermos.com 
  • 郵便:Thermos LLC 「355 Thermos Rd, Batesville, MS  38606」


必要情報

  • モデル番号(F401など。蓋か本体の裏あたりに書いてあるはず)
  • ストロー本数
  • 名前
  • 住所
  • 電話番号
  • クレジットカード番号(VISA, MasterCard, Discover)&有効期限
    (郵送の場合はマネーオーダー・小切手での支払いも可。)


値段は1本1ドルで5本まで。送料は3ドルなので、5本で8ドルの注文にして周りのサーモスユーザーの人と分けるのがいいと思います。ストローは7~10営業日で届くそうです。

▲ちなみにアマゾンやEbayでは1ドルのストローが何倍もの値段で売っています。。。

メールでクレジットカード番号を送るのはかなり抵抗ありますが、不安な方は番号と有効期限を別の回線・別のメールに分けて送る、などすると少しは安心かもしれません。もちろんメール送信歴の削除もお忘れなく。

※まあアメリカのカードだったら万が一流出して不正使用されても、検出もサポートもしっかりしているらしいので、まあまあ安心だとは思いますが…。余談ですが、昨年ターゲットでクレジットカード情報が4000万件流出した時、日本で発行されたクレジットカードが不正利用された人は、被害証明なんかの手続きがアメリカ発行のものに比べてかなり大変だったと聞きました。アメリカのカードは不正利用に対して消費者が保護されるよう法律(Liability of holder of credit card)で定めてあり、その点安心です。不安な人はクレジットカードみたいに使えるプリペイドカード(Visa Prepaid Cardなど)を使ってもいいでしょうね。
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2014/05/03

おひさしぶりです。近況いろいろ。

2ヶ月弱ぶりの更新です。
最近は忙しくなってしまい、全然走れずにいました…。



3月は90km、4月は50km。全然ダメダメです。
これだけ走ってないと、やっぱり走力の衰えを感じますね…。

5月のピッツバーグマラソンは、5月~6月と長期出張の話があったので申し込まずにいたところ、結局その話が流れ、エントリーが間に合わず(^_^;)
友人が出るので応援だけ行ってきたいと思います。

ランのほうは、しばらくは週1、2ぐらいで走って、半年ぐらいしたらまた再開かな・・・?


他に近況はというと、3月は奥さんの要望で、車で3~4時間東に行ったところにあるアダムスタウンというアンティークの町に行ってきました。この旅行については、できればいつか書きたいと思います。


3月は2048というパズルゲームが周りで流行ってました。ルールは超単純、でも難しくてしかも結構ハマる、ブラウザでできるゲームです。クリアできたのでYoutube動画 を作ったところ、アクセス数がすごいことに。

1年かけて200記事ぐらい書いてきたこのブログのアクセス数を、その5分ぐらいの動画1本の再生回数が追い越しそうな勢いです(笑)Youtubeの勢いってすごいですね。ちなみに2048をやったことない人には見てもチンプンカンプンだと思いますが、動画はこれです。


4月は大学時代の同窓会でサンフランシスコへ。同じ研究室だったメンバーがたまたまアメリカにたくさん駐在中で、今回は東西から6家族も集まりました。

▲1873年開業の世界最古のケーブルカーは未だ現役。レトロ感満載。

▲とにかく坂だらけ

アメリカ本土でも東西で3時間も時差があるので、早起きは余裕!
ということで、ダウンタウンを観光ランで1周してきました。


サンフランシスコ、ほんとにいい街ですね~。
ただ人気すぎて住宅事情はなかなか大変みたいですが(^_^;)

天気はいいし、日本への直行便があり、日本料理屋が多いのも羨ましいです。

日本料理屋といえば、ピッツバーグにも「茶屋」というお店があります。大将は東京やNYで寿司を握ってきたベテランで、味は確か。数年前にそこのウェブサイトを作ったのですが、最近ちょっと更新してトップページの写真や旧茶屋の写真を追加しました。宣伝みたいになりますが(笑)、ピッツにお越しの方はぜひお試しを!

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